生産シミュレーションツールは使いにくいし表計算ソフトで積み上げた方が楽? もっと簡単に生産ライン検証をシミュレーションできて、現場担当者でも簡単に設定できるGP4なら、工程のムダ取り効果がぐんと上がります。
「表計算ソフトで数値を入れて工数山積みを崩すにしても、生産ラインをイメージするのは非常に難しい。結果として、ラインレイアウトの効率を改善できたとしても、ほんの数%程度にしかならないケースが少なくない」(富士通 民需ビジネス推進本部 PLMビジネスセンター デジタルエンジニアリング開発部 尾上隆氏)
工程検討の際に一般的に使われているExcelなどの表計算ソフトウェアによる工数山積み計算。表で一生懸命積み上げたとしても、それはあくまでも平面の数値上の計算だ。実際の生産ラインで立体的に考えたときにどうなるかをイメージするのは至難の業だろう。だからこそ、ベテランの腕の見せどころ? 否。この状態でグローバル展開、垂直立ち上げをしようというのは無謀な話だ。
それ故に、3次元CADデータを利用した生産シミュレーションツールが各種出回っているわけだが、これらの設定がそもそも難解で専門オペレータなしには使いこなしにくいのが難点だった。
GP4は生産ラインにフォーカスした工程計画ツールだ。「人」の動作に焦点を当て、工程の評価を複数の軸で仮想的に検証できる。
* GP4の使い方、機能や利用事例については、設計・製造ソリューション展の会場でも確認できる。
一般的には、製品データにはCADデータを利用し、工程レイアウトはVisioのようなグラフィックツールで、作業手順はExcelで……と、ばらばらに入力して検討していることがほとんどだろう。GP4はこれらの情報を集約する働きを持つ。「人」「製品」「機械」それぞれの動きの情報を集めて一元管理することで、モノの流れや人の動きをトータルで評価できるようになる。
さらに、Excelユーザーにも使い勝手のよいインターフェイスを用意しているため、生産準備担当者自身で、さまざまな検証を進めることができる。
GP4は単なる生産ラインシミュレータではない。生産ラインを構築して、山積み表に変換すれば、バラツキは一目瞭然。山を崩して調整すれば、作業手順やレイアウト側にも変更が反映される。
「人」の動作・動線にフォーカスしていることからも分かる通り、作業者の動作改善を検討するための仕組みも多数ある。移動距離計測も可能だ。加えて、設備ライブラリも多数持っている。このため、仮想ラインの中でどんどん工程のムダを洗い出して最適化を進められる。複数案の評価や、従来とは異なる大胆なレイアウト変更を検証することも可能だ。
「例えば、生産拠点を海外に移すとしても、ラインの検証と改善、評価を国内で全て済ませるようになれば、現地での垂直立ち上げが可能になります。国内では、より生産性の高いラインレイアウトを設計できる人材を育成できることになります」(同)
CADのデータが分からなくても使いこなせるのは、生産技術担当者にとってはうれしい仕掛けだ。
「生産技術、生産準備部門の仕事はツールを使いこなすことではありません。また、専門のオペレータがいなければ操作できないようでは、さまざまなシミュレーションを検討、改良するプロセスを多く回すことはできません」(同)
日本の製造業は現場が強いといわれる。「カイゼン」の言葉が世界中に浸透しているのを引き合いに出すまでもなく、日本の現場は、より高い生産性のモノづくりを常に追求してきた。
欧米系ソフトウェアでは、いくら日本から機能改善のリクエストを出しても、反映されるのがいつになるのか分からないことが少なくない。その点、GP4は日本の生産現場のために作られた工程計画ツール。導入企業からの要望を反映させるペースも迅速で、年2回はユーザーの声を反映させたアップデートを行っているという。
現場カイゼンの工夫に優れた日本の製造業に揉まれた成果がタイムリーに反映される点は、海外製品にない魅力だろう。何よりも、日本の現場からの声を吸い上げて機能を拡張してきている点は、注目すべきところだろう。
何よりも富士通自身が、モノづくり企業としての視点からGP4を活用した社内実践を進めていることは、特筆すべき点だ。富士通では、日本のモノづくりの価値創造のために、現場革新活動の継続的推進をベースとしつつ、「モノづくり全領域」を先端ICTでつなぐ活動を推進している。その活動の1つが「仮想量産試作」だ。この仮想量産試作にGP4活用、社内実践中なのある。富士通自身が製品を使い込み、モノづくり企業の目線で常に製品の品質を高める活動を進めているのだ。
GP4は生産技術者が若手・ベテランを問わず利用できるように設計されている。また、複雑な操作を省き、誰もが素早く判断できることを重視している。
例えば工程シミュレーションツールの中には、工具を持つ手の向きまでを設定しなければならないものがある。
もちろん、詳細まで設定すれば厳密な作業時間の検証が可能になるだろうが、このレベルであれば現場の改善力に任せられるもの。ライン検討は、もっとダイナミックな効率化の検討にある。であれば、手の動作のような細かな設定なしで、どんどんラインを組み替えて検証できるようにしたほうが効率がよいはずだ。
実際にGP4を利用したライン検討を行ったことで、いままで想定していなかったような大胆なラインレイアウト変更を実施し、生産性を約40%も向上させた事例があるという。実際の改善事例は、設計・製造ソリューション展の同社ブースで担当社からより詳細を聞くことができる。
このGP4、実は6月末ごろをめどにバージョンアップが予定されている。
「新版では現場からの要望が多かった、帳票系の機能強化が盛り込まれる予定です。例えば作業の把握や改善のために使う山積み表をExcelファイルとして出力できます。いままでExcelマクロで計算していたようなことが、Excelのプロがいなくても誰でも出力できるようになります」(同)
2012年6月20〜22日に東京ビッグサイトで開催される「第23回 設計・製造ソリューション展」では、この新バージョンのデモ展示が予定されている。
展示会には同社スタッフもブースに詰めているそうだが、人数は限られている。会場でより効率的に詳細を確認するには、同社が用意している事前アポイントメントシステムで担当者の時間を確保するのがお勧めだ。
「事前アポイントメントシステムで予約いただければ確実に詳細な内容を紹介できます。誌面では伝えにくい利用事例なども担当者が直接説明いたします」(同)
工場立ち上げだけでなく、既存ラインの改善にも抜群の効果を示す同製品の詳細はしっかり押さえておきたいところだ。
設計・製造ソリューション展の富士通ブースでは富士通の各種ソリューションのほか、GP4の最新バージョンのデモ展示も予定されている。本稿で紹介し切れなかった実際の利用事例や、具体的な導入方法などは、会場で担当者から説明を受けられる。出展概要は下記リンクで確認してほしい。
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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2012年6月30日
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