幼いころから夢見たログハウスをいまこそ実現したい! 3次元CADのエキスパートエンジニアとして長年活躍したブライアン カーク氏がシーメンスPLMソフトウェアの 「Solid Edge」で、楽しい家づくりにチャレンジした。
西伊豆 戸田温泉(静岡県 沼津市)からさらに南の山間部に入ったペンション村。ブライアン カーク(Bryan Kirk)氏(Facebook・YouTube)の営むペンション「西伊豆ハウス(West Izu House)(YouTube)」はその一角にあります。切り立った崖の上に建つ木造のログハウス。そこからは、西伊豆の山々、駿河湾、そしてはるか先にそびえる富士山やアルプス山脈……、それら全てが見渡せるという大変ぜい沢な立地です。
カーク氏は、自分で作れる物は、何でも作ってしまいたい性分のようです。食器は陶芸で作るし、料理も自分で作ります。刺繍(ししゅう)や彫刻でアートを作るのも好きですし、家具の製作もお手のもの。そのログハウス自身も、カーク氏による手作りの部分が多いとか。
ログハウスを建築するにあたり、構造や内装、家具などの3次元モデルもカーク氏自身がシーメンスPLMソフトウェアの3次元CAD「Solid Edge」で作ったそう。実は、カーク氏の前職は3次元CADのエキスパートエンジニア。3次元モデルは詳細に作ってあり、その活用もいかにもエンジニアらしく、本格的です。
長年3次元CADの技術に携わってきたカーク氏ですが、エンジニア時代には経験したことがないユニークな取り組みを通じて、3次元CADの楽しさを改めて実感し、そして新たな発見の数々もあったと言います。
今回は、西伊豆ライフを心から楽しむカーク氏による楽しいデジタル家づくりと、Solid Edgeの活用について話を伺いました。
カーク氏:幼いころから田舎のログハウスに住むのが夢でした。私の愛する海、山、そして富士山の遠景――その3つ全てが臨める土地を求め、東京から伊豆へ何度も足を運び続けること18カ月。ようやく、このログハウスが立つことになる戸田にたどり着きました。長年夢見てきたログハウスですから、できるだけ、そのこだわりを関係者の方々に正確に伝え、確実に実現したいと考えました。
家を建てる際には、土地の所有者、建築家、工務店、そして私自身とさまざまな人たちがかかわります。皆の考え方をうまく1つの方向に向かせなければ。その上、私の建てたい家は少々状況が特殊……。“斜面に家が建つ”という状況は、2次元の図面だけでは非常に想像がしづらいもの。今回、建築家が用意してくれた設計図も2次元でした。
そこで、Solid Edgeの3次元モデルがコミュニケーションツールとして活躍したのです。私が長年の仕事で培った3次元CADの技術や工学の知識が、そこで役に立ちました。できるだけリアルに3次元モデルを作りこんでおけば、家の建築に携わるさまざまな人たちとの交渉が断然しやすくなります。事実、それぞれの専門家たちのとの間の意見交換はスムーズに運びました。
私の構造工学の知識も活躍しました。3次元モデルを見せながら伝えることで、工務店の方に私のテクニカルな意見を的確に伝えられました。そのかいもあってか、このログハウスは非常にタフになりました。先日の大変な台風でもこの家はびくともしませんでしたから。
家の基礎や構造だけではなく、内装、家具にいたるまで、Solid Edgeで細かくモデリングしていきました。部品点数は1500点ほどに。サブアセンブリを細かく作って構成しました。
家具や家電の1つ1つの配置、壁や梁(はり)などのバランスも、室内が広くて明るく見えるように試行錯誤しました。1階南側の部屋は、シアタールームも兼ねたかったので、プロジェクタの位置、ロールスクリーンの位置などにこだわりました。
Solid Edgeのシンクロナステクノロジはとても楽しいものです。さまざまなタイプのモデルが扱え、直感的なモデリングが可能。モデルはシンプルになり、ヒストリーツリーが無駄に長く複雑になることもありません。後から修正を加えても、モデルが化けることもありません。私が長年慣れ親しんだ、従来のヒストリーモデリング手法(オーダード)への切り替えができるのもいいですね。
レンダリング機能もSolid Edgeの魅力の1つ。通常、3次元CADのユーザーにとって、テクスチャの設定やレンダリングは難しく億劫に感じられることが多いもの。それがSolid Edgeでは、簡単で直感的に、誰でも美しいレンダリングが可能です。テクスチャ機能も重宝しています。もともとのライブラリも充実していますが、自分でテクスチャパターンを足すこともできます。実際に使用した木材もデジタルカメラでテクスチャとして取り込みました。これで、内装がリアルに表現できます。シェーディングも便利で簡単。ライトや影の設定をすれば、家の中の様子がよりリアルに表現可能です。
家が建つ前なのに、「どんな家なのか」、誰もが体験できる。そんなSolid Edgeによってもたらされる体験は、明確な利点があるとともに、純粋に、楽しいことでもあります。
カーク氏:今回のそれぞれのモデルには寸法拘束や外部参照も入っています。パーツや家具のサイズが変わっても、その周辺が追従して変わるようになっています。内装や家具をちょっと変えたくなったとき、部屋を足したくなったときも、スムーズに検討できます。
この3次元モデルは、今後もいろいろな用途に使えるよう、フィーチャーツリーも改良していっています。そしてモデル自身もログハウスが建った後も育ち続けています。例えば、2階は1フロアがオープンになっていましたが、途中で壁を入れて2部屋にしたりしました。ちなみにいまは、海側のデッキを拡張して露天風呂を作る計画をしています。こちらも現在、3次元モデルであれこれ検討しています。Solid Edgeのレンダリングも楽しくて、高度な機能にもチャレンジし、日々私のテクニックに磨きが掛かっています。
私が3次元CADのサポートエンジニアだった頃、ヒストリーモデルを扱っているエンジニアたちから、「ちょっと修正しただけなのに、モデルが化けた!」とよく助けを求められたもの(笑)。当時の苦労からすると、Solid Edgeは、非常にストレスのない3次元CADです。そして、私のいまの生活も、まさにストレスレス。
さてこれから、私のログハウスは3次元モデルとともにどのように育っていきましょう。そうして思いをはせると、とてもワクワクしてくるのです。
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提供:シーメンスインダストリーソフトウェア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2011年11月23日