まずは既存システムの仮想化統合で開発力を強化現場システムから全社的システムへ

HPC環境は欲しかったが、解析部門単独での予算確保が厳しかった企業は必見だ! 既にある社内のハードウェアを利用した仮想化統合で、HPC環境が構築できる。本格的HPC導入のプレ・ステップとして最適なソリューションを富士通が提供する。仮想環境上のCAEソフトの動作も、富士通がISV各社との共同検証済みなので安心だ。

» 2011年09月09日 10時00分 公開
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 今日の製造業では、これまで以上に迅速に、より優れた商品を市場に投入することを強く迫られている。そのために製品開発におけるIT化が急速に進んでいるが、その中でも鍵となるのが「解析力の強化」である。しかし新規業務やトライアル業務を積み重ねたくても、部門のITリソースは通常業務をこなすので一杯一杯で、そのために部門単独で新規にハードウェアを導入するのは予算的にも難しい場合もある。業務改革をうまく推進するためには、全社的な視野で見た計画的投資が必要である。

 ITインフラの多くは情報システム部門が管理しているのに対し、解析専用のハードウェアは、それを使用する事業部門が独自管理していることが多い。解析部門単独でのITリソース確保が難しい場合、仮想化統合HPC環境であれば、部門全体のIT予算も含めたトータルな効率改善により予算・資産を確保可能となる。

 富士通では本格的なHPC導入に進む前のソリューションの1つとして、既存の業務システムの仮想化統合によるHPC環境を提案する。

CAEの継続的な業務改善・強化に向けて!

 生産工程の効率改善が進んでいるいま、設計をはじめとする開発工程の上流が“待ったなし”の状態となっている。そのため重要となってくるのが、「設計フェーズにおける積極的な解析活用」である。現状では、一部のごく単純な線形の応力解析などを除けば、「評価CAE」という形で設計がひとまず一段落したモデルを解析して評価し、その評価結果を設計にフィードバックするのが一般的だろう。

 しかし、本当に設計効率を上げようと思えば、もっと解析を積極的に、実用的なモデルでもって、設計と同時かつインタラクティブに行うことが必要だ。実際、既に解析の担当者が設計者と共に設計活動に携わる例も増えてきている。

 ここでネックとなるのが、解析に使用するハードウェアリソースだ。設計と同時かつインタラクティブに解析を実行するためには、本格的な設計モデルを用いて数多くのオプションを短時間で検討する必要がある。しかし実際には、マシンのスペックが追い付いてこないため、ごく限定的なモデル数で妥協するしかないこともあった。

富士通 システムプロダクト販売推進本部 PCクラスタビジネス推進室 室長 田中豊久氏

 「多くの場合、解析の処理に使用されるハードウェアリソースは、企業全体のIT戦略とその予算の一環としてではなく、事業部門の予算によって購入されます。従って、解析部門で長期的な計画に沿ってハードウェアを強化しようと考えても、事業部の売り上げ減少があれば継続的な投資を続けることが難しくなるのが現実です」と富士通 システムプロダクト販売推進本部 PCクラスタビジネス推進室 室長の田中豊久氏は語る。「継続的に投資できなければ、思うように成果が現れず、結果的に評価されないという悪循環になっている場合もあります」(田中氏)。

 もちろんCAE業務強化には専用のPCクラスタシステム導入がベストだが、それがすぐに難しい場合、部門内ITを見渡し、その空きリソースを有効活用することも富士通は提案していく。

 1つは「高性能ワークステーションのクラスタ化」である。通常ワークステーションは24時間、365日使用されているわけではない。利用者の出張・帰宅などで不在の場合にその高性能ワークステーションを、InfiniBandを用いて高性能クラスタリソースとして活用するソリューションだ。

 もう1つの提案が、「仮想化によるHPCソリューション」だ。「どの部門にも、共用ファイルサーバ、OAサーバなどさまざまな部門サーバがあります。現在、一般業務用サーバは仮想化集約が進み、リソースの無駄がないようになってきています。しかしリアルタイム系システムの場合、夜間にはリソースが使われないままで空きがちになっているのです。つまりわれわれの提案とは、それらの空きリソースを仮想HPCサーバにしようということなのです」と田中氏は言う。「これからは専用PCクラスタシステム構築はもちろんですが、部門ITリソース全体を効率的に利用しながら、継続的な業務拡張のお手伝いもさせていただきたいのです」(田中氏)。

業務サーバの空き時間を 「HPC」に活用

仮想化HPCソリューションとは

 解析現場のユーザーにとって、仮想化HPCの大きなメリットの1つは言うまでもなく、コストだ。例えば、CAE専用の8台構成PCクラスタ(物理マシン)による解析システムを導入しようとする場合、プラットフォームだけで1500万円規模の投資が必要となる。

富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 津村昌祐氏

 「仮想化HPCを活用する場合、通常は仮想化業務サーバの設備に、増設メモリとHPC用のゲストOS程度で済みますから、300万円程度の追加投資で収まります。専用のPCクラスタとは違って夜間の稼働のみですが、仮に8時間の稼働としても、20%の投資で、物理的なPCクラスタの3分の1以上の計算リソースを活用可能になるのです」と語るのは、富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部の津村昌祐氏だ。

 CAE業務拡張といえば、専用のPCクラスタシステムの導入が当たり前だったが、これからは業務サーバを含めた部門IT全体の中の1つの機能として考えることで、いままでにはなかった切り口や展開でHPC導入を予算化、配備していくことも可能になったといえる。

 このような部門のITリソースの一部を活用する仮想化HPCについて、「ユーザーの使い勝手はどうなの?」「物理的なPCクラスタとの違いはないのだろうか?」という疑問があるかもしれない。「定常HPCのジョブスケジューラに夜間のみ仮想キューを設定するだけで利用でき、これまでのPCクラスタユーザーの皆さんに負担を掛けることはありません」と津村氏は語る。

仮想化HPCソリューションの利用イメージ

仮想化環境下における高いパフォーマンスは実証済み

 さらなる疑問としては、「仮想化環境の上でも、CAEソフトウェアは満足のいく性能が出せるのか?」ということもある。そもそも、解析ソフトウェアを仮想化環境で動かそうという発想は従来なかっただろう。

 富士通ではさまざまなISV(解析アプリケーションベンダー)と協業して検証に取り組んでいる。実際、仮想化HPCについても検証を行った。「PowerFlow、Marc、Scryu/Tetraといった各アプリケーション全て、仮想化環境で、36並列程度であれば実用上問題のないレベルでパフォーマンスが出ています」(津村氏)。

 「富士通は通常の業務集約型サーバとHPCの双方を手掛けております。すなわち、どちらの環境についても多くのノウハウを持っています。ISVとのコラボレーションと合わせて、お客さまが使用する解析ソフトウェアのパフォーマンスを考えた上で、適切な環境を提供できます」(田中氏)。

仮想化HPCから始まる業務改革

 仮想化HPCが実現することで、解析業務はどのように変わるだろうか。従来、日中はワークステーション上で設計を行い、夜はそのマシン上で解析を行うということであれば、一晩で1モデルしか回すことができなかった。それが夜間の仮想化HPCを活用すれば、複数のオプションが検討可能となる。

 つまり、いままでは設計と解析、それに伴う修正作業をシーケンシャルに進めていかなければならなかったのが、さまざまな設計オプションを同時検討することが可能となる。いままでは時間の都合で出来なかったことが検討できるようになり、「勘と経験による検討」から「データに基づく検討」へと変わるだろう。

 「例えば、新たな業務を試す、あるいは業務改革にトライする際に、現場でフル稼働している既存のHPCの資産を使うことができるのかといえば、それは難しいのではないでしょうか。うまくいくかどうか分からないものに追加投資をすることも難しいでしょう。それであれば、わずかな投資で実現できる『夜間8時間のHPC』で、新たな業務のやり方を試みつつ、ノウハウを溜め、実績を作ることで、自信を持って本格的なPCクラスタ展開を進めることが可能になるのではないでしょうか」と田中氏は語る。

 この仮想化HPC環境は、既存の環境にメモリとゲストOSという非常に少ない追加リソースで実現する。

 富士通では、この仮想化HPCを「業務改革に向けた第一波のトリガー」として考えてほしいという。

 これがきっかけとなって、設計の中でもっと解析を有効活用するための業務改革を進めていく。その最初のステップとなるのであれば、非常に効果の高いソリューションといえるのではないだろうか。

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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2011年10月31日