使用済み溶剤を「資源」にする装置、加熱方式で処理困難なタイプに対応可能:リサイクルニュース
コーベックスはマイクロ波溶剤蒸留回収装置「CA-800M-01シリーズ」の販売を開始する。同装置は、従来の加熱方式では処理が困難であった溶剤への適用を可能とし、廃液の減容化と溶剤の再資源化を実現する。
コーベックスとMWCCは2026年10月19日、共同で開発を進めてきたマイクロ波溶剤蒸留回収装置について、コーベックスが「CA-800M-01シリーズ」として販売を開始すると発表した。導入を検討する顧客には、サンプルテストや事前試験で対応する。
200Lのドラム缶をそのまま装置内にセットして蒸留処理可能
製造現場では、洗浄や各種製造プロセスに有機溶剤が幅広く使用されている。使用後の溶剤は、蒸留によって不純物を分離し、再生溶剤として再利用することが可能だ。しかし、溶剤の種類や混入物によっては、従来の外部加熱方式では十分な加熱ができない、あるいは伝熱面への残渣の付着などによって処理が難しくなるケースがあった。
一方、コーベックスは、有機溶剤のリサイクルを目的とした溶剤回収装置を長年にわたり開発/製造してきた。MWCCは、対象物に直接エネルギーを供給できるマイクロ波加熱技術と、マイクロ波技術を産業プロセスへ実装するノウハウを蓄積してきた。
両社はそれぞれの知見を組み合わせ、従来方式では処理が困難であった使用済み溶剤にも対応可能な新たな蒸留回収装置の開発に着手し、2026年2月に共同開発の開始を発表した。その後、プロト機の製作/検証を進め、この度CA-800M-01シリーズとして製品化し、販売を開始する。
CA-800M-01シリーズは、200Lのドラム缶をそのまま装置内にセットして蒸留処理できる他、使用済み溶剤を別の釜へ移し替える作業が不要となるため、作業負担を減らせる。
加えて、従来の外部加熱方式とは異なり、マイクロ波を利用することで対象物を直接加熱する。これにより、従来方式では十分な加熱が難しかった溶剤にも対応するとともに、伝熱面への残渣の付着を抑制し、回収量の向上が期待できる。溶剤にもよるが、加熱効率の改善により従来比300%の蒸留速度も実現可能だ。
さらに、従来は産業廃棄物として処分していた使用済み溶剤を、その場で蒸留/回収し、再生溶剤として再利用できる。廃棄する溶剤を再利用する資源へと転換することで、新規溶剤の購入量と産業廃棄物の処分量を削減し、製造現場における資源循環を促進する。
同装置は、塗料やインキ、樹脂、合成樹脂、化学、ファインケミカルなど、有機溶剤を使用する幅広い製造業での活用を想定している。
今後、コーベックスは、同装置を溶剤回収装置の新たなラインアップとして展開し、使用済み溶剤の処理や廃棄に課題を抱える製造事業者の資源循環と環境負荷低減に貢献していく考えだ。
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