サカタインクスがサーキュラーエコノミー実現に向け印刷関連業界で実証実験を開始:リサイクルニュース
サカタインクスは、印刷関連業界における廃棄物の回収から処理、資源の再生までの循環システムを構築し、サーキュラーエコノミーの実現を目標とする実証実験を開始すると発表した。
サカタインクスは2024年4月8日、印刷関連業界における廃棄物の回収から処理、資源の再生までの循環システムを構築し、サーキュラーエコノミーの実現を目標とする実証実験を開始すると発表した。
まずは事業所で発生する使用済みインキなどの産業廃棄物を対象に
今回の取り組みではまず、同社の国内4事業所で発生する産業廃棄物「使用済みのインキや溶剤」「金属製容器」「プラスチック」「老朽化し廃却となった生産設備など」の再資源化を目指す。
資源化では、同社の工場内で発生する廃棄物の種類や量を精査しつつ、廃棄物の素材ごとに適したパートナーを選定する。その後、実証実験で、廃棄物の回収や資源の再生、再資源化された再生材の品質確認を実施することで、これら一連のサイクルの有効性を確認していく。現在、既に一部の廃棄物で取り組みを開始しており、一定の有効性を確認している。
今後は、実証実験をさらに進め対象とする廃棄物を拡大するとともに、これらのサイクルシステムに協力、賛同するパートナーの探索も進める。また、サカタインクス内での取り組みの有効性が確認できた後、次の段階として、印刷関連業界での展開に向けて、顧客の工場で発生する廃棄物の再資源化にも取り組む。加えて、顧客の周辺の取引先や同業他社などへの拡大も検討している。
今回の取り組みの背景
SDGsやサステナビリティが社会の大きなテーマとなる中、印刷関連業界でも環境に配慮した製品やサービスなどが展開されている。サカタインクスも植物由来材料を一部に使用したボタニカルインキなど環境に配慮した製品の展開や、生産/販売の過程で発生するCO2の削減に取り組んでいる。一方で、同社を取り巻く事業環境では、インキや溶剤をはじめ、紙やフィルム、容器などのさまざまな廃棄物が発生しており、産業廃棄物として処分されている。
このような状況の改善に向けて、同社はサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを開始する。
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