ガラスや有機の限界を超える! 次世代セラミック基板を初披露:電子機器トータルソリューション展2026
生成AIの普及で半導体パッケージの大型化が進む中、従来の有機/ガラス基板の「反り」や「割れ」が課題となっている。京セラはJPCA Show 2026で、これらの課題を克服する先端半導体向け「多層セラミックコア基板」を初披露した。【訂正あり】
京セラは、「電子機器トータルソリューション展2026」(2026年6月10〜12日、東京ビッグサイト)内の「第55回 国際電子回路産業展(JPCA Show 2026)」に出展し、開発中の製品として、先端半導体パッケージ向け「多層セラミックコア基板」を披露した。同製品は今回の展示会が初披露となる。
熱伝導率はガラスコア基板や有機コア基板と比べて1桁以上高い
近年、生成AI(人工知能)や大規模言語モデル(LLM)の普及に伴い、国内外でデータセンターの新設/拡張が進んでいる。これを支える演算処理チップの総称「xPU」やスイッチ用ASIC(特定の電子機器や用途のためにカスタム設計/製造された集積回路)などの先端半導体では、高速/大容量通信を実現するため高性能化が進み、2.5Dパッケージ型を中心にパッケージ基板の大型化/高密度配線化が加速している。
一方、有機コア基板では、大型化した際に剛性不足により反りが生じる他、コア材における配線微細化が課題となっている。そこで京セラは、積層セラミックパッケージで培ってきた材料/コア技術を生かし、高剛性と微細配線を両立するとともに、ビルドアップ層の形成が可能な多層セラミックコア基板の開発に取り組んでいる。
同社が開発を進める多層セラミックコア基板は、従来の有機コア基板に比べて高剛性で曲げ強度が高いため、各実装プロセスでの反りを低減できる。同社のシミュレーション結果によれば、板厚が薄くても同様の効果が得られることから、パッケージ基板の薄型化にも貢献する。「セラミック基板の熱伝導率は、ガラスコア基板や有機コア基板と比べて1桁以上高い」と同社の説明員はいう。
また、セラミックコア基板では、表裏間を電気的に接続する厚み方向の導体をビアと呼んでいる。このビア形成は、セラミックを焼成する前の、柔らかくした状態で行われる。そのため、有機コア基板のビア加工プロセスで採用されているドリル加工などと比べ、微細加工性に優れていることから、従来の有機コア基板において高密度配線化に対する課題とされていたビアの小径化、狭ピッチ化が可能だ。
同社の説明員は「多層セラミックコア基板は、セラミックを薄いテープ状に形成したモノを多層化したものだ。ユーザーの要望によっては、多層の一部分にグランド層や電源層などの機能層を配置できる」と話す。
さらに、ユーザーのデバイス仕様や実装条件をベースに、熱応力/電気シミュレーションや、部品実装プロセスを考慮した基板反りシミュレーションなどの対応が可能だ。これらの結果を踏まえた積層セラミックコア基板のカスタム設計提案を通じて、顧客の開発効率向上に貢献する。
【訂正】初出時に、上の画像が正しい画像ではございませんでした。訂正および差し替えて、お詫びして訂正致します。(2025年7月8日10時30分)
多層セラミックコア基板の量産化に向けた課題は「焼結時の収縮コントロール」だという。同社の説明員は「セラミックは高温での焼成プロセスにより収縮する。基板が大型化すればするほど、この収縮も大きくなり、ビアや配線の寸法ズレを引き起こし、多層間での配線が正しくつながらなくなるリスクがある。そこで当社はこの課題に対して、過去の膨大なデータと知見を活用し、最終的な仕上がりや寸法を逆算して、必要な穴加工パターンを設計する手法の開発も進めている」と話す。
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