梱包材を紙系材料に置き換え、京セラが環境負荷低減の取り組みを公開:脱炭素
京セラは、環境負荷低減に対する取り組みを公開した。梱包材のプラスチックを紙系材料に置き換えるなど、携帯電話機やスマートフォン、複合機において脱プラスチックに向けた梱包開発を進めている。
京セラは2023年1月17日、自社グループの環境負荷低減への取り組みについて公開した。携帯電話やスマートフォン、複合機において、脱プラスチックに向けた梱包開発を進めている。
京セラでは、「地球温暖化防止・省エネ性」「資源循環性」「環境保全・製品安全性」を最重要課題として、環境配慮への取り組みを進めている。同社の通信機器事業本部では、資源循環性の一環として、梱包開発において「脱プラの推進」「包装材使用量の削減」「環境にやさしい処理の採用」という方針を定めている。
脱プラの推進では、梱包材のプラスチックを紙系材料に置き換えている。サトウキビ(バガス)の搾りかすを成型した「パルプモールドトレイ」を製品トレイに採用したり、端末の収納袋を透明な紙袋へ切り替えたりしている。
梱包箱では、2023年1月より個装箱と内トレイを一体成型した新方式の箱を採用。また、有害な廃液が発生しない水無し印刷を活用するなど、2021年より環境に優しい処理を進めている。
グループ会社の京セラドキュメントソリューションズでは、複合機やプリンタの梱包開発において、「過剰包装にならない適性設計」「3R(Reduce、Reuse、Recycle)への配慮」「流通時・開梱時に取り扱いやすいユニバーサルデザイン」「積載効率の向上」の4方針を定めている。
具体的には、製品の脆弱(ぜいじゃく)性を把握し、強度を高めたり、その部分を緩衝材で保護するなど、過剰梱包を抑えている。さらに、循環型の梱包材やレーザーマーキングによる印刷を採用。開梱時に大型機でもスムーズに取り出せるよう、横からスライド式で引き出せる工夫や、設計段階でコンテナ内の出荷状況をシミュレーションして積載効率の向上を図っている。
同社は今後も、グループの技術を集結して環境問題に取り組み、社会課題解決につながる価値を創造するとしている。
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