2035年の車載ECU市場は2024年対比1.5倍の37兆円規模に成長:製造マネジメントニュース
富士キメラ総研は、今後普及が進む車載ECUの世界市場を調査し、その結果を公表した。2035年の車載ECU市場は37兆8114億円となり、2024年対比1.5倍に成長すると予測する。
富士キメラ総研は2026年5月15日、今後普及が進む車載ECU(電子制御ユニット)の世界市場を調査し、その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査2026下巻:ECU関連デバイス編」にまとめたと発表した。2035年の車載ECU市場は37兆8114億円となり、2024年対比1.5倍に成長すると予測する。
2025年の車載ECU市場は、26兆4198億円で、対前年比6.0%増を見込む。今後、パワートレイン系以外の各カテゴリーが伸長して2035年には37兆8114億円となり、2024年対比で51.7%増が予測される。
パワートレイン系の市場は、EV需要の伸長率が低下し、内燃機関を装備するHV(ハイブリッド車)やPHV(プラグインハイブリッド車)などの需要が伸びたことから、縮小のペースが緩和された。新興国や北米などは需要増加が見込まれるが、EV(電気自動車)シフトの進展により2030年以降は減少に転じると予測する。
xEV系の市場は、EV需要鈍化の影響があるものの、MHV(マイルドハイブリッド車)やHV、PHVの需要増加により拡大すると予測する。現在の新興国などにおける電線網やEVスタンドの設置状況から、ハイブリッド車両を中心に市場がつくられていくと考える。
走行安全系の市場に関しては、ADAS(先進運転支援システム)/ADS(自動運転システム)の高度化が進んでいることからECUも高機能化が進み、拡大するとみられる。ボディー系の市場は、中央集権型E/Eアーキテクチャを適用した車両の販売により、主にゾーン型ボディーコントローラーが拡大すると見込む。情報通信系の市場は、SDV(ソフトウェアデファインドビークル)やE/Eアーキテクチャの中央集権化が進むことから、CDC(コックピットドメインコントローラー)やTCU(テレマティクスコントロールユニット)などの通信機能制御を担うECUの需要拡大が予想される。
注目市場としては、ボディー系ECUと半導体が挙げられる。ボディー系ECUは、ウィンドウ、ドアおよび照明や車内の快適性、利便性を改善させる機能を制御する。自動車生産台数に連動するECUが多いが、近年はキャビンセンシングやWPAN(Wireless Personal Area Network)を用いた無線機能を制御するECUを中心に需要が伸びている。2035年の同市場は、5兆4310億円となり、2024年対比で2.1倍に拡大すると予測する。
今後はE/Eアーキテクチャの中央集権化により、自動運転レベル2+以上の高度なADAS/ADS搭載車などのBCU(Body Control Unit)から移行するゾーン型ボディーコントローラー、またゾーン型の次世代BCUが増加することで市場の拡大が見込まれる。
半導体は車載マイコンやSoC(System on Chip)/FPGAがメインの市場であるが、2035年に向けた伸長率が高いのはDRAMやNANDだ。DRAMは、車両のSDV化によりCDCやヘッドユニットのメモリが大容量化していること、自動運転レベル2+車両の増加に伴いADASドメインコントローラー需要が伸びることから市場が成長している。
NANDは、インフォテインメント機器やEDR(Event Data Recorder)の大容量化のニーズおよび価格上昇により、市場が拡大している。ADAS/ADS搭載車の普及により、カメラやミリ波レーダー、LIDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)などによる大量のデータを処理する必要があるため、自動運転レベルの向上に伴い、求められるストレージ容量も増加している。今後、SDV化の進展により、動画コンテンツ用ストレージなどの新規需要も期待できるため、長期的な市場拡大が見込まれる。
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