ソフトバンクが堺にギガファクトリー、国産の燃えない水電池を2027年度に量産へ:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
ソフトバンクは、電解液に真水を使用することで発火リスクを解決するとともにリン酸鉄リチウムイオン電池を上回るエネルギー効率を備える革新型バッテリーセル「亜鉛−ハロゲン電池」を中核とする国産バッテリー事業を開始すると発表した。
国産バッテリー事業により「外貨を稼げる企業に変革していく」
国産バッテリー事業の生産拠点となるのが、ソフトバンクが堺市堺区のシャープの工場跡地に展開する堺AIデータセンター内に設ける「GXファクトリー」だ。GXファクトリーはAIデータセンターである「AXファクトリー」に隣接して建設される。
GXファクトリーは2026年度から建設を開始し、2027年度内に年間で容量100MWhの規模で蓄電システムの生産を開始する。この“メガファクトリー”の生産を立ち上げた後、年間で容量GWh規模の量産を行う“ギガファクトリー”の建設を進める。2028年度内には年間容量1GWhで生産を始め、2029年度には年間容量2GWhに倍増させる計画である。
GXファクトリーで生産する蓄電システムは、ソフトバンクが自社で構築を進める大規模AIデータセンターに導入する。北海道苫小牧市に建設予定のAIデータセンター(2026年度稼働予定)やGXファクトリーに隣接するAXファクトリー(2027年度稼働予定)の他、ソフトバンクが携帯電話事業のため全国に展開する基地局にも導入する予定だ。
これらの実績を基に、日本国内の電力系統向けや工場などの産業向け、家庭向けに蓄電システムの提供を順次広げていく。家庭向け/法人向けでは、ソフトバンクショップなどの自社販売チャネルを活用する。これら国産バッテリー事業の2030年度の売上高目標は1000億円以上を掲げる。宮川氏は「将来的には海外での収益化を目指し、数千億円規模の売上高にしたい。当社はこれまで内需で成長してきたが、国産バッテリー事業により外貨を稼げる企業に変革していき、わが国の中でなくてはならない企業に進化していきたい」と述べている。
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