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ソフトバンクが堺にギガファクトリー、国産の燃えない水電池を2027年度に量産へ組み込み開発ニュース(1/2 ページ)

ソフトバンクは、電解液に真水を使用することで発火リスクを解決するとともにリン酸鉄リチウムイオン電池を上回るエネルギー効率を備える革新型バッテリーセル「亜鉛−ハロゲン電池」を中核とする国産バッテリー事業を開始すると発表した。

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ソフトバンクの宮川潤一氏
ソフトバンクの宮川潤一氏

 ソフトバンクは2026年5月11日、電解液に真水を使用することで発火リスクを解決するとともにリン酸鉄リチウムイオン電池を上回るエネルギー効率を備える革新型バッテリーセル「亜鉛−ハロゲン電池」を中核とする国産バッテリー事業を開始すると発表した。堺市堺区にあるシャープの工場跡地に工場を設け、2027年度から亜鉛−ハロゲン電池のバッテリーセルおよび蓄電システムの生産を開始する。2028年度には年間に容量GWh規模で量産する予定であり、同工場は“ギガファクトリー”になる見込みだ。

 亜鉛−ハロゲン電池は、正極にハロゲン化物、負極に亜鉛を用いる電池である。ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一氏は「亜鉛−ハロゲン電池は、われわれが取り組んでいる液体電池、固体電池の発展形である革新型と呼ばれる領域の技術を統合したものだ。電解液に真水を使うので発火せず、リチウムイオン電池と比較して安全性が高い。エネルギー効率も、最新のリン酸鉄リチウムイオン電池と比べて10%以上高い」と説明する。また、主要原材料であるハロゲン化物や亜鉛などは日本国内で調達可能であり、サプライチェーンの強靭化を図れるとしている。

革新型バッテリーセル「亜鉛−ハロゲン電池」の概要
革新型バッテリーセル「亜鉛−ハロゲン電池」の概要[クリックで拡大] 出所:ソフトバンク
リン酸鉄リチウムイオン電池と亜鉛−ハロゲン電池の比較
リン酸鉄リチウムイオン電池と亜鉛−ハロゲン電池の比較[クリックで拡大] 出所:ソフトバンク
亜鉛−ハロゲン電池の機能イメージ
亜鉛−ハロゲン電池の機能イメージ[クリックで拡大] 出所:ソフトバンク

 ソフトバンクは、電解液に真水を使用する亜鉛−ハロゲン電池の技術を有する韓国のCOSMOS LABと協業し、同電池の量産化に取り組む。両社は早期に量産技術を確立し、2027年度をめどに量産を開始することを目指す。

 ソフトバンクの国産バッテリー事業は、この亜鉛−ハロゲン電池を組み込んだ蓄電システムの開発と製造、販売がメインビジネスとなる。複数個の亜鉛−ハロゲン電池のバッテリーセルから構成される電池パック、シャシーに電池パックを組み込んだラック、ラックを連結したパッケージに至るまで、開発から製造を国内で一気通貫で手掛ける。

バッテリーセルから電池パック、ラック、パッケージに至るまでの開発から製造を国内で一気通貫で手掛ける
バッテリーセルから電池パック、ラック、パッケージに至るまでの開発から製造を国内で一気通貫で手掛ける[クリックで拡大] 出所:ソフトバンク

 蓄電システムの開発/製造では韓国のDeltaXと協業する。同社の多数のバッテリーセルを高効率かつ高い安全性で接続して電池性能を最大限に引き出すCCS(Cell Connecting System)設計技術と、バッテリーセルのモジュール化を行わずに直接パック化するCTP(Cell to Pack)技術により、蓄電システムの製品化において亜鉛−ハロゲン電池の性能を最大限に引き出せるという。さらに、「蓄電システムを制御するEMS(エネルギーマネジメントシステム)も提供する。電力の需給を見える化するため当社が開発したもので、これまで10年間の電力事業で培ってきたノウハウを基に開発したAI(人工知能)により、高度な需要予測を行える」(宮川氏)。

 蓄電システムの製品ラインアップは、家庭用が容量10kWh、業務/産業用となる小規模タイプが同140kWh、中規模タイプが同560kWhで、系統用の大規模タイプは同2240k〜5380kWhとなる。

蓄電システムの製品ラインアップ
蓄電システムの製品ラインアップ[クリックで拡大] 出所:ソフトバンク

 なお、DeltaXは、リチウムイオン電池を用いた標準的なコンテナ型蓄電システムで5370kWhの蓄電容量を実現している。ソフトバンクが開発する亜鉛−ハロゲン電池を用いた蓄電システムにおいても同等以上の蓄電容量を目指すことになる。

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