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ソフトバンクがシャープ堺工場跡地に大規模AIデータセンター構築:製造マネジメントニュース
ソフトバンクは、シャープ堺工場の土地と建物を活用した大規模なAIデータセンターを構築する。2024年秋に着工する計画で、2025年中の本格稼働を目指す。
ソフトバンクとシャープは2024年6月7日、シャープ堺工場(大阪府堺市)の土地と建物を活用した大規模なAI(人工知能)データセンターを構築することで基本合意したと発表した。2024年秋に着工し、2025年中の本格稼働を目指す。
両社は堺工場でのAIデータセンター構築について、2024年1月から協議を継続してきた。堺工場(堺ディスプレイデバイス)は2024年9月までに生産を停止する計画だ。ソフトバンクは堺工場の土地や建物のほか、電源設備、冷却設備などを譲り受けることで、データセンターの早期構築を図る。なお、今回の合意を基に、両社はAI関連事業での連携を検討していく。
計画によると、ソフトバンクは、シャープ堺工場の敷地面積の約6割に相当する約44万m2の敷地、延べ床面積約75万m2の建物に、受電容量約150MW規模のデータセンターを構築する。将来的には受電容量を400MW超の規模まで拡大する。
また、データセンターは生成AIの開発やAI関連事業に利用するほか、大学や研究機関、企業などに広く提供していく。環境負荷の低減にも配慮し、クリーンエネルギーの活用を検討している。
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