検索
ニュース

ミクロンサイズの凸構造で離型紙を使わない布用粘着フィルムを開発材料技術

東レは、粘着面に離型紙を使わず、布製品にだけ密着するフィルムを開発した。ミクロンサイズの凸構造を持つ立体的な表面構造により、布にはしっかり貼り付き、平滑面には付かないという選択的粘着性を備える。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 東レは2026年4月21日、粘着面に離型紙を使わず、布製品にだけ密着するフィルムを開発したと発表した。表面構造を制御することで、布にはしっかり貼り付き、平滑面には付かないという選択的粘着性を備える。

開発材の基本構造
開発材の基本構造 出所:東レ

 開発した粘着フィルムは、粘着層の上に非粘着部となるミクロンサイズの凸構造を設けた立体的な表面構造を持つ。凸構造が粘着層への不用意な接触を物理的に阻害し、未使用時のべたつきを防ぐ。

 指や金属、プラスチックなどの平滑面では、凸部分が当たって粘着層に触れず、さらさらした触感を維持する。布や不織布などの繊維製品では、繊維が凸構造の隙間に入って粘着層と接触し、高い密着性が生じる。

選択的粘着性のメカニズム
選択的粘着性のメカニズム 出所:東レ

 貼るカイロに適用した場合、年間約247トン(t)の離型紙ごみの削減効果が見込まれる。既存品に比べ、発熱体を除いたカイロの総重量を約60%、厚みを約38%低減し、製品のコンパクト化と環境負荷低減を同時に達成できる。

開発材を使用時の試算
開発材を使用時の試算[クリックで拡大] 出所:東レ

 離型紙を用いず粘着面を保護できるため、離型紙ごみの削減と使い勝手の向上を両立できる。同社は今後、冷却シートなどの日用品や医療、アパレル分野への展開を図り、2030年度に売上高10億円を目指すとしている。

⇒その他の「材料技術」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る