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東レがマレーシアでABS樹脂の生産増強、グループで年産42万5000トンに:工場ニュース
東レのマレーシア子会社Toray Plasticsは、「ABS樹脂トヨラック」透明グレードの生産能力を増強し、本格生産を開始した。既存の東レ千葉工場と合わせると、東レグループ全体の生産能力は年産49万7000トンまで拡大した。
東レは2021年8月17日、マレーシアの子会社Toray Plasticsが「ABS樹脂トヨラック」透明グレードの生産能力を増強し、本格生産を開始したと発表した。
今回、Toray Plasticsでは、年産7万5000トンの生産設備を増設。これにより、同社のABS樹脂生産能力は、年産42万5000トンとなった。既存の東レ千葉工場(千葉県市原市)と合わせると、東レグループ全体の生産能力は年産49万7000トンまで拡大した。
東レグループのABS樹脂トヨラックは、透明グレード、制電グレード、良塗装グレード、耐薬品性向上グレードなど、高機能グレードをそろえる。東レ千葉工場とToray Plasticsは今後も連携を強化し、透明ABS樹脂の需要の確実な取り込みや供給安定性の向上を図る。
また、主な販売先となる中国やアセアン市場のほか、欧米やインド市場へも販売拡大を進めていく計画で、今後も生産能力増強を図るとしている。
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