ニュース
車載コンデンサーの需要拡大に向けポリプロピレンフィルムの生産能力を増強:工場ニュース
東レは、茨城県土浦市の東レ土浦工場に生産設備を増設し、二軸延伸ポリプロピレンフィルム「トレファン」の生産能力を増強する。電動化車両市場の拡大を背景に、車載コンデンサー用フィルムの需要拡大に対応する。
東レは2020年5月18日、茨城県土浦市の東レ土浦工場に生産設備を増設し、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)「トレファン」の生産能力を増強すると発表した。電動化車両(xEV)市場の拡大を背景に、車載コンデンサー用フィルムの需要拡大に対応する。
土浦工場に増設する生産設備の稼働は、2022年の開始を予定。車載コンデンサー用フィルムの生産能力を現行比で1.6倍にする。同社は土浦工場で生産能力を拡充し、成長市場の取り込みを図って事業拡大を目指す。
トレファンは、一般工業用、コンデンサー用、包装材料用などに広く利用されている。xEVでは、モーターを駆動させるパワーコントロールユニット(PCU)のインバーター回路に使用されているが、PCUとフィルムコンデンサーは、運転性能と燃費の向上、車内空間の確保と設計の自由度向上のため、小型、軽量化が求められている。
xEV市場は環境規制の厳しいヨーロッパや中国を中心に年率約20%の高成長が見込まれていることから、同社は今後の車載コンデンサーの需要に応えるべく、独自技術により相反する薄膜化と高耐電圧化という性能を両立しているトレファンの生産能力を増強する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 東レが国内向けマスク用不織布を増産、5000万枚分を増やし月8000万枚体制へ
東レは2020年4月13日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として、国内向けにマスク用不織布の供給体制を強化すると発表した。 - CFRPのレーザー加工、課題は速度と価格、そして臭い
鍛圧機械や塑性加工技術の総合展示会「MF-Tokyo 2017第5回プレス・板金・フォーミング展」の記念講演に最新レーザー技術研究センター 代表取締役の沓名宗春氏が登壇。「レーザー加工の金型およびCFRPへの応用」をテーマにレーザー加工の特徴や今後の課題などを紹介した。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 自律するスマート工場実現に向け、IoTプラットフォーム連携が加速へ
製造業のIoT活用はスマート工場実現に向けた取り組みが活発化している。多くの企業が「見える化」には取り組むが、その先に進むために必要なIoT基盤などではさまざまなサービスが乱立しており、迷うケースも多い。ただ、これらのプラットフォームは今後、連携が進む見込みだ。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。