東レがRO膜の造水量低下を3分の1に抑える新UF膜を発売:材料技術
東レは、下廃水再利用プラントにおけるRO膜の目詰まり(バイオファウリング)を抑制する限外ろ過(UF)膜「F-HFUG-2020AN」を2026年5月に発売する。
東レは2026年4月27日、優れた低ファウリング性能を有し、逆浸透(RO)膜プロセスの負荷低減と長期安定運転に貢献する限外ろ過(UF:Ultra Filtration)膜の製品化を完了し、「F-HFUG-2020AN」として2026年5月に販売を開始すると発表した。
なお、F-HFUG-2020ANは、2025年2月に同社が発表した高除去UF膜技術をベースに、下廃水再利用プロセス用途の事業化に向けて、量産化技術の確立および製品信頼性評価を完了した。
業界最小クラスの公称孔径0.005μmを実現
国内外で水の需要が高まる中、各国における下廃水規制は年々強化されており、水資源に制約のある地域では、下廃水再利用が安定的な事業運営を支える重要な取り組みとして位置付けられている。一方で、下廃水には多くの有機成分(バイオポリマー)が含まれており、これらが膜の閉塞を引き起こすバイオファウリングの主要因となるなど、下廃水再利用プロセスにおける課題となっている。
バイオファウリングとは、RO膜表面に形成されたバイオフィルムが許容できないレベルに達し、圧力損失の増加や透過水量の低下など、ROプロセスの運転に支障を来す状態を指す。
F-HFUG-2020ANは、同社独自の微細孔制御技術により、業界最小クラスの公称孔径0.005μmを実現したUF膜だ。これにより、従来は十分な除去が困難であったバイオポリマーの透過量を同社の従来品比で約3分の1に低減したと確認した。
下水処理プラントでのパイロットテストでは、UF膜の透水量を維持したまま後段RO膜のファウリングを抑制し、バイオポリマー起因のRO膜の造水量の低下を従来比で約3分の1に低減したことを実証した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
東レが海水淡水化用RO膜を一貫生産できるサウジアラビア初の企業に
東レが、サウジアラビアの子会社で海水淡水化用RO膜の新工場を増設し、同製品の製膜から組み立てまでを一貫して行え、生産できる体制を構築した。
東レはポルトガルに人工皮革のショールームを開設
東レは、グループ会社であるスウェーデンのエアバッグ縫製メーカーAlva Swedenのポルトガル縫製工場に「Ultrasuede」専用のショールーム兼ストック販売拠点を開設する。既存設備を活用して、Ultrasuedeとして初となる縫製事業も開始する。
リチウムイオン電池からリチウムを高収率でリサイクル、東レがNF膜で実現へ
東レは、「nano tech 2023」において、使用済みリチウムイオン電池から高収率でリチウムを回収できるNF膜を披露した。
東レがマレーシアでABS樹脂の生産増強、グループで年産42万5000トンに
東レのマレーシア子会社Toray Plasticsは、「ABS樹脂トヨラック」透明グレードの生産能力を増強し、本格生産を開始した。既存の東レ千葉工場と合わせると、東レグループ全体の生産能力は年産49万7000トンまで拡大した。
1μm以下の極薄半導体チップを高スループットで実装、東レエンジが技術開発
東レエンジニアリングは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業において、極薄半導体チップを高スループットで実装する技術を開発した。
