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東レが海水淡水化用RO膜を一貫生産できるサウジアラビア初の企業に:工場ニュース
東レが、サウジアラビアの子会社で海水淡水化用RO膜の新工場を増設し、同製品の製膜から組み立てまでを一貫して行え、生産できる体制を構築した。
東レは2025年11月18日、サウジアラビア王国のダンマンに所在する子会社のToray Membrane Middle East(TMME)が、海水淡水化用逆浸透膜(RO)膜の新工場を増設し、稼働を開始したと発表した。この増設により、東レは海水淡水化用ROエレメント製品を製膜工程から組み立てまで一貫生産できる同国初の企業になったという。
2025年11月12日には、新工場の本格稼働と研究/技術開発拠点中東水処理技術センター「Middle East Water Treatment Engineering Center(略称:MEWTEC)」の開所(同年4月稼働開始)を祝う式典が開催された。
なお近年、環境保護を目的に、海水淡水化プラントは従来の蒸発法から、消費エネルギーを大幅に削減可能な水処理膜法の活用へと移行している。人口増加や産業発展に伴い水不足が深刻化する中、水処理膜法による海水淡水化技術は、持続可能な水資源確保ソリューションとして注目され、省エネルギーかつ高性能な水処理膜技術への期待もより高まっている。
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