高画質と低被ばくを実現、新型フォトンカウンティングが国内販売:医療機器ニュース
キヤノンは、国産初となるフォトンカウンティングCT「Ultimion」を国内で販売開始する。高分解能画像や高度なスペクトラル画像により、診断精度の向上と被ばく線量の低減が期待できる。
キヤノンは2026年4月9日、フォトンカウンティングCT(PCCT)「Ultimion(アルティミオン)」を同月17日に国内で販売開始すると発表した。同社によると、フォトンカウンティング検出器を搭載した全身用X線CT装置では、初の国産品になるという。高分解能画像や高度なスペクトラル画像により、診断精度の向上と被ばく線量の低減が期待できる。
Ultimionは、テルル化亜鉛カドミウム(CZT)を用いたフォトンカウンティング検出器を採用。検出器に入射する個々のX線光子(フォトン)を検出可能で、高いX線検出能力と線量効率を可能にした。スペクトラル画像では、物質固有のエネルギー透過性の違いから特定の組成領域を抽出、表示でき、診断精度の向上が期待できる。
微小な焦点サイズを有する新型X線管と画像再構成技術のDeep Learning Reconstruction(DLR)を組み合わせることで、循環器や呼吸器、整形など、さまざまな領域の検査内容に応じた柔軟な条件設定ができる。高剛性フレームの採用により、0.24秒の最速架台回転速度を達成。これにより、広い撮影範囲での高速撮影に対応する。
また、独自の自動化技術「INSTINX」を導入し、効率的な検査ワークフローを支援する。キヤノン製ワークステーション「Abierto Vision」と連携し、バックグラウンドで診断情報を自動処理してPACSへ転送する。読影を続けながら、必要な情報へ迅速にアクセスできる。
ガントリ内蔵カメラの映像から患者の体位を検出し、ポジショニングを素早く調整できる。位置決め用の撮影データから撮影範囲を自動設定する機能や、画像表示を自動レイアウトする機能を搭載した。
800mmの大開口径を採用したほか、オプションでボアライティング機能や寝台左右動機構の範囲拡張に対応。検査時の患者の負担や不安を軽減できる。
キヤノンは2020年から世界各国の医療施設とPCCTの実用化に向けた共同研究を進めており、2026年3月からは国立がん研究センター東病院、国立がん研究センター先端医療開発センターと同製品を用いた臨床研究も開始している。
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