全自動測定装置2機種を発売、検査室向け血液凝固検査事業に参入:医療機器ニュース
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスは、血液凝固検査装置事業に参入し、全自動血液凝固測定装置「CN-6000」「CN-3000」の販売を開始した。設置面積は720×906×1350mmで、限られたスペースでも高処理性能を発揮する。
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスは2025年10月2日、全自動血液凝固測定装置「CN-6000」「CN-3000」と試薬の販売を開始した。日本市場において、検査室向け血液凝固検査装置事業に本格参入する。
両装置の設置面積は720×906×1350mmで、PT(プロトロンビン時間)単項目測定時の処理能力はCN-6000が1時間当たり最大450テスト、CN-3000が同225テストとなる。検査技師の業務負荷が増す中で、限られたスペースでも高処理性能を発揮し、検査室の効率化に寄与する。
また、独自アルゴリズムで当日の検査数と試薬使用量を予測し、補充アラートを出すことで検査中断を防ぐ。試薬と消耗品の残量やキャリブレーション情報を一元管理するダッシュボードも搭載した。
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスの検体搬送処理システム「Aptio Automation」との接続にも対応し、免疫、生化学、血液など複数検査装置を連結して自動化を進められる。
血液凝固検査は、血液の固まる時間や凝固、線溶因子の量を測定し、出血や血栓性疾患の診断に利用される。高齢化や生活習慣病の増加を背景に、国内では検査需要が拡大している。特に、播種性血管内凝固症候群(DIC)や深部静脈血栓症(DVT)の診断に不可欠なDダイマー検査の需要が高まっている
同社はこれまで、免疫、生化学、血液、尿検査装置および試薬を展開している。新たに血液凝固検査装置を加えることで、検査室全体のソリューションを1社で提供できる体制を整えたとしている。
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