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放射線治療計画の作成を効率化するフォトンカウンティングCTを発売:医療機器ニュース
シーメンスヘルスケアは、放射線治療計画の精度向上と業務効率化を目的としたフォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha.Prime for RT」を発売した。
シーメンスヘルスケアは2025年11月26日、放射線治療計画支援機能を追加した、全身用X線CT装置「NAEOTOM Alpha.Prime for RT」を発表した。既存モデルのフォトンカウンティング技術を用いて腫瘍と周囲組織の境界を高精度に描出しつつ、治療計画の精度向上と業務負担の低減を図る。同年12月上旬に発売予定だ。
同社のフォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha」は、X線光子をエネルギー別に検出し、0.2mmピクセルの高精細画像を低線量で取得できる。同年8月には、X線管と検出器を1対搭載したシングルソースの「NAEOTOM Alpha.Prime」を発売した。今回の新製品は、同機種に治療計画支援機能を追加したものとなる。
新製品では、スペクトラルイメージング画像を活用した4D撮影により、呼吸から標的臓器の動きを正確に把握する。これにより、腫瘍や臓器の動きを考慮した治療計画作成を支援する。
粒子線治療で重要となる阻止能比(SPR)をCT画像から直接算出する「Quantum DirectSPR」を搭載し、線量計算に必要な画像の自動生成が可能だ。撮影時の体位を治療計画に高精度に反映するため、治療装置の寝台と同形状のフラット天板を採用している。
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