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160℃の高温環境で熱変形量が10分の1のOPPフィルム:材料技術
東レは、160℃の高温環境において、熱変形量が通常のOPPフィルムと比べて約10分の1となる新たなOPPフィルムを開発した。
東レは2026年1月23日、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムとしては、高い耐熱性を備えた「トレファン」を開発したと発表した。既にサンプル出荷を開始している。
低いぬれ性により優れた離型性
OPPフィルムは防湿性/透明性に優れ包装用途で広く利用される一方、離型性や低アウトガス性などの特性を生かし、顧客の製造工程で消費される工業材料用途にも展開されている。近年、電子デバイスや軽量モビリティの材料開発が進展し、その製造/加工工程が多様化する中で、OPPフィルムは高温プロセス対応を求められてきた。
そこで、東レはトレファンを開発した。トレファンは、同社がこれまで培ってきたOPPフィルムの高耐熱化技術と、高耐熱オレフィン樹脂を用いたフィルム表面の高耐熱化技術を組み合わせたものだ。同製品は、160℃の高温環境において、熱変形量が通常のOPPフィルムと比べて約10分の1となっている。加えて、OPPフィルムよりも低いぬれ性で、優れた離型性が期待できる。
用途としては、電子デバイス向け高機能樹脂製品の製造用支持体、熱ラミネート用離型フィルムなどの工程中の熱シワや離型成分によるわずかな汚染も許容されないファイン用途や、電池部材に代表されるドライルーム内加工や真空加工設備(蒸着、スパッタ)内の加工といったフィルム含有水分を忌避する用途などへの適用が期待されている。
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