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ファナックが2m超のリーチを備える新型の塗装ロボット、大型部品に対応:産業用ロボット
ファナックは、塗装ロボット「P-55/15-21A」を発売した。2m超のリーチと15kgの可搬重量を備え、大型部品に対応する。新型制御装置「R-50iA」を搭載し、現場の負担軽減と安定した塗装品質を両立する。
ファナックは2025年12月1日、ミドルサイズの新型塗装ロボット「P-55/15-21A」の販売を開始すると発表した。一般産業から自動車産業まで幅広い塗装用途に向けたモデルで、現場の負担軽減と安定した塗装品質を両立する。量産開始は2026年3月を予定している。
P-55/15-21Aは、2mを超えるリーチと15kgの可搬重量を備え、大型部品の塗装にも対応する。右勝手、左勝手のどちらにも対応し、塗装ラインの左右に設置することで対称構成が可能になるため、レイアウトの自由度と作業効率を高められる。
制御装置には、塗装ロボットでは初となる新型の「R-50iA」を採用した。また、防爆対応回路の刷新と部品点数の削減、ユニット統合を図り、全機能を1キャビネットに集約した。保守工数を削減するだけでなく、設置やトラブル対応の効率化にも寄与する。
操作性やメンテナンス性も向上している。最新ソフトウェアの導入によってロボットの軌跡精度が高まり、塗りムラを抑えて塗装品質が安定した。オーバライドに依存しない軌跡一定機能を備えるため、教示作業も容易になっている。さらに、バッテリーレスエンコーダーの採用でバッテリーが不要になっており、定期メンテナンスの省力化と環境負荷低減につながる。
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