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高強度と高導電率を両立したプローブピン用ロジウム材料を開発:材料技術
田中貴金属工業は、半導体パッケージ製造工程での通電検査に使用するプローブピン用ロジウム材料「TK-SR」を発表した。変形が少なく、通電検査材料の長寿命化と低コスト化が期待できる。
田中貴金属工業は2025年11月12日、半導体パッケージ製造工程での通電検査に使用するプローブピン用ロジウム(Rh)材料「TK-SR」を発表した。変形が少なく、通電検査材料の長寿命化と低コスト化が期待できる。
プローブカードは、半導体製造の前工程でシリコンウエハーの通電検査をする際に使用される。通電検査は数十万回から数百万回と繰り返され、プローブカードに使われるプローブピンが1本でも変形、折れが生じると交換が必要となるため、耐久性が求められていた。
同社は、独自の加工技術により、高強度かつ高弾性限、高硬度、高導電率を同時に達成するTK-SRの開発に成功した。線径は0.018〜0.300mmを提供し、微細化の進む最先端半導体パッケージの狭ピッチの精密検査にも対応可能だ。融点は1960℃、密度は12.4g/cm3となる。
同年11月末ごろのサンプル提供を予定する。同社は、2030年までに既存製品比2倍の出荷量達成を目指すとしている。
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