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「攻撃しても目的達成できない」拒否的抑止発想で新イノベーション支援:製造マネジメントニュース
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、拒否的抑止の視点を取り入れたイノベーション創出支援サービスの提供を開始。企業の技術や製品に防衛用途の視点を加え、有事に強い社会インフラの構築を後押しする。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは2025年10月7日、拒否的抑止の概念を着想に加えたイノベーション創出支援サービスの提供を開始した。企業が自社技術、製品、サービスに防衛用途の視点を取り入れ、有事に強い社会インフラの構築を支援する。
拒否的抑止は、攻撃者に「攻撃しても目的を達成できない」と思わせることで戦争や侵略を思いとどまらせる戦略だ。本サービスはこの考えを民間技術に応用し、地政学リスクを脅威ではなく価値創出の機会と捉える新たなアプローチを示す。
提供内容は、自社技術を基点に防衛装備品化の視点を加えた開発や改良を支援する点に特徴がある。政策要請に応じる従来型ではなく、企業が自発的に平和貢献し、市場価値を生む道筋を設計する。中央省庁や自治体支援で蓄積した知見と技術安全保障の専門性を生かし、実践的に支援する。
背景には、重要技術および物資の供給網強化や経済安全保障の進展がある。関連制度整備や情報保護の要請により、防衛産業に限らず幅広い産業が安全保障分野に貢献する機会が拡大している。
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