リコーの共創活動拠点「RICOH BIL TOKYO」が20倍に拡張、最新AIで課題解決を加速:イノベーションのレシピ(1/2 ページ)
リコーが、品川エリアにリニューアルオープンする顧客との価値共創活動拠点「RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO(RICOH BIL TOKYO)」を報道陣に公開。最新のAI技術を活用した同所の特徴やリニューアルオープンの狙いについて説明した。
リコーは2024年2月1日、顧客との価値共創活動の拠点である「RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO(以下、RICOH BIL TOKYO)」を、現在のJR田町駅前から品川エリアに移転、拡大してリニューアルオープンする。同年1月26日、報道陣に新たなRICOH BIL TOKYOを公開するとともに、最新のAI(人工知能)技術を活用した同所の特徴やリニューアルオープンの狙いについて説明した。
新たな「RICOH BIL TOKYO」において価値共創活動の起点となるゲストラウンジ「Climbers Lounge」。RICOH BIL TOKYO内の各施設は、登山をイメージした名称が付けられている[クリックで拡大] 出所:リコー
新たなRICOH BIL TOKYOは、JR品川駅港南口から徒歩6分の位置にある品川シーズンテラスの18階に入居する。2018年9月に田町に開設されたRICOH BIL TOKYOは、約50m2の広さの部屋を用いてリコーと顧客の価値共創活動に向けた端緒となるファシリテーション活動の拠点に位置付けられており機能は限定的だった。新たなRICOH BIL TOKYOの広さは約20倍の1000mm2となり、価値共創活動の端緒にとどまらず、デザイン思考型ワークショップやアジャイル開発に基づくラピッドプロトタイピングをはじめ、リコーと顧客の両者で設定した課題を解決するためのさまざまな機能を備えている。
リコー 代表取締役会長で、RICOH BIL TOKYOのエグゼクティブアドバイザーを務める山下良則氏は「田町におけるRICOH BIL TOKYOの約5年3カ月の活動では、860社もの顧客の経営層に来ていただいた。その中で感じたことが3つあった。1つ目は、リコーとの対話によって顧客自身だけでは得られない課題や気付きを得てもらえているということ。2つ目は、私自身も経営層の方々と会っていろいろ話す中で、課題解決に向けたリーダーシップを共有できたこと。3つ目は、各社とも最新技術に興味はあるが活用のための入り口がなかなか見つからず、それが課題になっていること。これらの気付きを得られたRICOH BIL TOKYOは極めて大切な価値共創の場であり、今回リニューアルオープンすることでさらに活動を加速させていきたい」と語る。
なお、RICOH BIL TOKYOは、顧客企業の経営層との対話を深めるEBC(Executive Briefing Center)にも位置付けられており、山下氏自身が同所を業務活動の拠点の一つとすることによってEBCとしての役割を強化していきたい考えだ。また、機能を大幅に拡充してのリニューアルオープンまで5年以上かけた理由については「RICOH BIL TOKYOを活用するための人材がそろった今が、リニューアルのベストなタイミングだったと考えている。1000社導入を実現したノーコードツールの『RICOH kintone plus』や、RICOH BIL TOKYOでも体験できる次世代会議空間『RICOH PRISM』などオウンドテクノロジー(自前技術)もそろってきたので、これらを世に問う窓としても活用できるだろう。また、RICOH BIL TOKYOのリニューアルオープンに向けて他社の共創活動拠点も視察したが、そのときに他社経営トップと共創についての考えで意見交換しており、将来的には互いにつなげることも検討したい」(山下氏)という。
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