マザックは欧州で工程集約/自動化/デジタル訴求、インド製工作機械も登場:EMOハノーバー2025(2/2 ページ)
ヤマザキマザックは欧州最大級の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」において、工程集約、デジタル技術、自動化の3つを軸として世界初公開の7機種を含む、20台の工作機械や自動化システムを展示した。
CNCで操作する自動化セル、欧州でインド製マシニングセンタ
産業用ロボットを使った自動化セル「Ez LOADER 125i」を欧州で初披露した。専用アプリケーションにより工作機械のCNC装置から簡単に自動化セルが操作でき、ティーチング不要で自動運転を行える。「操作性の面から、ロボットのティーチングペンダントではなく、工作機械のCNCでロボットも操作できるようにしておくことが自動化の大前提になっている」(ヤマザキマザック 商品開発本部 執行役員の澤田洋祐氏)。
また、安全柵を使わない旋盤/複合加工機用の自動化システム「TA」なども出展。「“安全柵をなくすためには協働ロボットを使わなければならない”という誤解がある。産業用ロボットの機能安全規格であるISO 10218に適合していれば、非協働ロボットでもエリアセンサーなどを活用することで安全柵が要らなくなる」(澤田氏)。
今回出展した立形マシニングセンタ「VC-Ez 410 IP」はインド製だ。ヤマザキマザックでは2023年にインド工場が本格稼働し、立形マシニングセンタ「VC Ezシリーズ」の「VC-Ez 410 IP」「VC-Ez 510 IP」「VC-Ez 660 IP」を生産している。順調に生産台数が上がっており、既にインドから東南アジアに輸出していたが、この度欧州でもインド製の機械を販売する。「5年ほど前からインド人の作業者を日本に呼んで教育してきた。機械の作り方も、工程を分割して作りやすくしている」(田中氏)。
ブース内には「ソリューションセンター」と名付けた大きなスペースを設けて、ユーザーからの機械加工に関する相談に応じた。EMO Hannoverでは初めての試みだという。スペース内には、生産支援ソフト「MAZATROL DX」の操作体験コーナーを設けて、同社がうたうデジタル段取りを訴求した。デジタル段取りはオフィスのPC上で、ワークの3Dモデルを基に、加工プログラムの自動作成からシミュレーション、工具などの取り付け指示、工具計測後の段取り準備を行うことで、生産性を向上できるなどのメリットがある。
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