欧州最大級展示会に“DMG森精機ワールド”、新たな製品や自動化/DXツール披露:EMOハノーバー2025(1/2 ページ)
DMG森精機は、欧州最大級の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」において、8機種の新製品を含む42台の機械と各種の自動化ソリューション、DXツールなどを紹介した。本稿では、初公開となった新製品を中心に紹介する。
DMG森精機は、欧州最大級の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」(2025年9月22日〜26日:現地時間、ドイツ・ハノーバー)に出展。“DMG MORI WORLD”を掲げ、同展示会の出展者の中で最大となる約1万m2のブースを使ってデータセンター、半導体/医療/金型/モビリティ/航空宇宙という5つの業種別にソリューションを展示した。
その展示において、8機種の新製品を含む42台の機械と各種の自動化ソリューション、DX(デジタルトランスフォーメーション)ツールなど、同社が提唱するMX(マシニングトランスフォーメーション)を推進する製品群が登場した。本稿では、初公開となった新製品などを中心に紹介する。
ターニングセンタや横型マシニングセンタなどの新製品を披露
MXでは、5軸加工機や複合加工機などを用いた工程集約および自動化によってGX(グリーントランスフォーメーション)を実現し、さらにDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じて生産工程を効率的に管理することで、さらなる環境負荷の低減や生産性の向上を目指している。
新製品のターニングセンタ「NLX 2500 | 1250 2nd generation」は最大115kgまでの重量ワークを出し入れできるロボットシステム「Robo2Go Max」とともにデモンストレーションを行った。
「NLX 2500 | 1250 2nd generation」は、2024年から展開する「NLX 2500 2nd generationシリーズ」に、新たに加わった心間1250mmの仕様となっている。心間は、主軸と心押し台の先端との間の最大距離を指しており、最大加工長さは1258mmとなっている。
NLX 2500 2nd generationは従来機と比べて、棒材作業能力は径105mmへ、Y軸移動量は120mmへと拡大した。
「従来のNLX2500を使っているユーザーから、右側の主軸をもっとパワーアップさせてほしいなどの要望があり、2nd generationでは左右に同等のパワーを持った主軸を付けている。そのため機械のベッドの構造から見直しており、2nd generationとしているが、実際はフルモデルチェンジに近い」(DMG森精機 執行役員 複合加工機開発担当 旋盤開発担当の栗谷龍彦氏)
剛性と振動減衰性を追求したX、Y、Z軸の摺動面案内構造により、長尺ワークの安定した重切削加工が可能になった。また、BMT(ビルトインモータータレット)の出力が大幅に向上。最大毎分1万2000回転、100N・mのミーリング主軸によって、ハードミーリングや難削材加工などに対応する。「モーターを自社設計しているため、限られたスペースでモーターが内蔵された刃物台を作ることができる」(栗谷氏)
グループ会社であるマグネスケールのMAP補正機能などを用いて、C軸の位置決め精度0.001度を実現。「従来機種と比べてさらに高い精度が出せるようになり、歯車なども高精度に加工できるようになった」(栗谷氏)。
高圧クーラントユニットやクーラント冷却装置、サイクロンフィルターなども1カ所に集約し、省スペース化を図っている。クーラントタンクの底面には傾斜があり、クーラント液の入れ替え時に、一カ所にたまり排出しやすい仕組みにしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.