マザックは欧州で工程集約/自動化/デジタル訴求、インド製工作機械も登場:EMOハノーバー2025(1/2 ページ)
ヤマザキマザックは欧州最大級の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」において、工程集約、デジタル技術、自動化の3つを軸として世界初公開の7機種を含む、20台の工作機械や自動化システムを展示した。
ヤマザキマザックは欧州最大級の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」(同年9月22〜26日、ドイツ・ハノーバー)において、工程集約、デジタル技術、自動化の3つを軸として世界初公開の7機種を含む、20台の工作機械や自動化システムを展示した。
2タレットでサイクルタイム短縮、歯切りや研削も行う複合加工機
小型2タレットCNC旋盤「QRX-50MSY SG」は上下2つのタレットを備えており、2つのタレットによる同時加工を実現。シャフト系部品のサイクルタイム短縮に貢献する。従来機種と比べて機械スペースを15%縮小した省スペース設計となっている。会場では、バーフィーダーを連結させ、バー材から連続カットするデモを披露した。
材料を供給するバーフィーダーや、加工後に搬出するワークアンローダーなどの自動化機器も搭載可能で、EV(電気自動車)やロボットなどの電動装置用シャフト部品など、小物部品の量産加工に適している。生産はシンガポールで行われている。
複合加工機「INTEGREX i-350 NEO AG」は旋削、歯切り、研削までを1台で加工できる。歯切り盤や研削盤が不要になるため、機械スペースも大幅に削減する。歯車の騎乗計測機能も搭載している。
従来機種は工具マガジンが本体の背面に付いていたが、ユーザーの要望を踏まえて前面に移動。機械の操作や工具の段取りを効率的に行えるようになった。また、ボタンを押すだけでツールの脱着が可能になった。
ヤマザキマザック 常務執行役員 商品開発本部 本部長の田中直哉氏は「自動化対応のために工具マガジンを背面に付けたが、単体で機械を使いたいユーザーからは正面に付けてほしいという要望が強かった。ワンタッチで工具を外したり、工具が仮置きできる引き出しを付けたりなどの使い勝手を高める工夫もしている」と話す。
複合加工機「INTEGREX j-200S NEO」は欧州初出展となる。同社の機種ではエントリータイプに当たり、旋削主軸の出力、トルクを向上させたことで高い生産性を実現している。標準仕様、ハイパフォーマンス仕様ともに、ミル主軸のB軸割り出し範囲を従来機よりも拡大し、さらに割り出し角度も標準仕様で1度単位、ハイパフォーマンス仕様で0.0001度まで可能としている。また、ハイパフォーマンス仕様では、従来機から大幅に出力、トルクを向上させながらも、全長を短縮したミル主軸を採用している。「日本では既に販売しているが、欧州のリクエストに応えて仕様などを見直しており、欧州で販売を拡大させていきたい」(田中氏)。
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