中村留のロボットシステムに新仕様、省スペースで連続運転と段取り自動化:工作機械
中村留精密工業は、機械に接続して素材や完成品を搬送するロボットシステム「RoboSync」の新仕様「TypeD」を発売する。架台にワークストッカーと自動交換用ラックを組み込み、連続運転と段取り自動化を可能にした。
中村留精密工業は2025年9月1日、機械に接続して素材や完成品を搬送するロボットシステム「RoboSync」の新仕様「TypeD」を同年10月22日に発売すると発表した。価格は仕様により異なり、月10台の販売台数を目標に掲げる。
RoboSyncは、ビジョンセンサーを標準搭載したフレキシブルな自動化プラットフォームだ。TypeDではRoboSync架台にワークストッカーと自動交換用ラックを組み込み、少量多品種の生産現場に適した連続運転と段取り自動化を可能にした。
棚式のワークストッカーは両側引き出し構造のため、ロボット稼働中でも反対側から他トレーに材料をセットでき、止めない補給で稼働率を高められる。自動交換用ラックにはワークハンド爪やチャック爪、エンドエフェクタを格納でき、品種切替時の治具交換をセル内で完結させ、人手負担と停止時間を抑える設計とした。
また、協働ロボットの採用で安全柵を基本不要とし、ストッカーを架台に内蔵して別置設備のスペースを削減した。ロボット、工作機械、ストッカー間の位置決めにはマーカーとビジョンセンサーを用いる方式を採用。ロボットを移動しても、復帰時はマーカーの読み取りによって座標を迅速に再確立できる。
操作体系は、RoboSyncティーチングペンダントに専用の操作画面を内蔵。稼働時の必要な情報入力や手動操作に加え、段取りを補助する機能をまとめて提供する。
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