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超大型加工機9台が3台に、DMG森精機が新設の第3精密加工工場が見せた工程集約スマート工場最前線(1/2 ページ)

DMG森精機は伊賀事業所(三重県伊賀市)において新たに稼働した第3精密加工工場を報道陣に公開した。

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 DMG森精機は2024年4月17日、同社の伊賀事業所(三重県伊賀市)において新たに稼働した第3精密加工工場を報道陣に公開した。

3台の超大型5軸加工マシニングセンタで工程集約を実現


第3精密加工工場の外観[クリックで拡大]出所:DMG森精機

 第3精密加工工場では工作機械のベッドやコラムなど大物鋳物部品の加工を行う。従来は、2棟の精密加工工場で内製部品の加工を行っていたが、5軸加工機、複合加工機の需要増加による大型部品の生産増加への対応、内製化や工程集約による品質向上、生産性向上をさらに推進するため、3棟目となる第3精密加工工場を新設した。

 地上1階建てで、建築面積は5698m2。投資金額は建物が約25億円、機械が約30億円となっている。

 新工場には同社のフロンテン工場(ドイツ:バイエルン州)で生産された超大型5軸加工マシニングセンタ「DMU 1000 SE」を3台導入する。既に2台目の設置が完了し、2024年5月から本格稼働している。2025年に導入予定の3台目には研削仕様を追加し、これまで他社製の専用機で行っていた研削工程の工程集約を自社製の機械で実現する。3台目の導入後は、年間約1万4000t(トン)分の鋳物加工ができるようになる。

超大型5軸加工マシニングセンタ
巨大な超大型5軸加工マシニングセンタ「DMU 1000 SE」[クリックで拡大]

 DMU 1000 SEは垂直方向に移動可能な高性能ラム(Z 軸)とクロスビーム(W 軸)を備えた門型構造を採用しており、高い加工精度と剛性を実現する大型5軸加工機「DMU 600 P」をベースに開発された。DMU 600 P自体、航空機のランディングギアの部品や大型の金型、船舶のクランクケースなどを加工する機械だ。

 5000×2800mmのテーブルを2つ配置可能な特別仕様となっており、テーブル連結時は最大13000mmの大物鋳物の加工できる。1テーブル当たり最大40tまで搭載可能。搭載フルカバー構造のため、機外への切りくずやクーラント飛散がなく、穴あけ、タップ加工も高圧クーラントを使用して切りくずを分断し、効率よく加工できる。

 最大工具径400mm、最大工具長さ900mmまでに対応し、243本の工具収納が可能な大容量ホイール式マガジンを4基搭載している。主軸のヘッドの種類を交換することも可能だ。

DMU 1000 SEの工具交換の様子[クリックで再生

高出力主軸による高効率ミーリング加工が可能[クリックで拡大]出所:DMG森精機

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