ニュートンワークス、次世代車両の開発加速に向けて新会社を設立:CAEニュース
ニュートンワークスは、次世代車両の開発加速に向けて新会社「ニュートンダイナミクス」を設立した。同時に、ドイツのMdynamiXとの業務提携を発表。ニュートンワークスのCAE技術を基盤に、MdynamiXの車両運動制御アルゴリズムや感性評価技術を統合する。
ニュートンワークス(NWC)は2025年9月2日、次世代車両の開発加速に向けて新会社「ニュートンダイナミクス(NDX)」を設立したと発表した。同時に、ドイツのMdynamiXとの業務提携を開始した。
自動車業界では、車両の機能的価値に加え、ドライバーや乗員の心地よさといった感性評価が重要視されている。自動運転機能でも、同指標による差別化が図られると予想される。そのためNWCでは、これまで培ってきたCAE技術と感性評価を融合させた車両開発を進めるため、専門組織としてNDXを設立した。
また、業務提携を開始するMdynamiXは、車両ダイナミクスとドライビングシミュレーション技術の分野で世界的に高い評価を得ている。運転時の主観的評価をデータ化するソフトウェア「MXeval」を提供し、車両開発における感性評価を効率化して、評価データを客観的に活用可能にした。
新会社のNDXは、自動車の運動制御システムの開発、ソフトウェアやアルゴリズムの提供、車両モデルの構築、ドライビングシミュレーターシステムの構築と運用を事業内容とする。NWCのCAE技術を基盤とし、MdynamiXの車両運動制御アルゴリズムや感性評価技術を統合する。
MdynamiXが有する専門知識と日本のユーザーのニーズをマッチングさせ、自動運転(AD)や先進運転支援システム(ADAS)、各アプリケーションの基盤となる車両ダイナミクス開発を迅速に進める。さらに、脱炭素化に寄与する電動化など、新たなパワートレイン開発にも取り組む。
なお、代表取締役社長には小林祐範氏が就任。同氏は、車両運動制御のECU開発やモデルベース開発の量産適用、HIL(Hardware-in-the-Loop)や車両モデル構築などに実績を持つ。NDXの所在地は中央区京橋で、同日より事業を開始している。
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