ニュース
川崎重工と郡山市など、焼却施設の排ガス由来CO2活用事業で連携協定を締結:製造マネジメントニュース
川崎重工業は、郡山市、エア・ウォーター東日本、東部ガスおよび日東紡績と、焼却施設の排ガスからCO2を分離、回収し燃料化して地域活用する炭素循環モデルの構築に向け、連携協定を締結した。
川崎重工業は2025年8月20日、郡山市、エア・ウォーター東日本、東部ガスおよび日東紡績と、焼却施設の排ガスからCO2を分離、回収し、燃料化して地域活用する炭素循環事業モデルの構築に向け、連携協定を締結したと発表した。
川崎重工業は、省エネルギー型CO2分離、回収システム「KCC(Kawasaki CO2 Capture)」を開発している。同システムは固体吸収材を用いるもので、液体吸収法より低温の排熱を活用できる点が特長だ。エネルギー消費の抑制に寄与することが期待される。
川崎重工業と郡山市は、2023年に締結した実証実験実施に関する協定に基づき、郡山市の焼却排ガスにおいてKCCの適用性を評価してきた。2025年度はKCCによるCO2分離および回収の技術検証を進め、運用面の課題を抽出して解決策を検討する。2026年度以降のモデル事業実施を見据える。
CO2削減策として、昨今CCUS(CO2の回収、利用、貯留)が注目を集めている。CCUSの導入促進に向けては、分離および回収の省エネ化が課題となっており、エネルギー消費を削減できる可能性を有するKCCの有用性が期待される。
なお、今回の事業は2025年度の環境省委託事業「郡山市における廃棄物処理施設を中心とした炭素循環事業モデル構築のためのCCUベンチスケール実証等事業」によって実施する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
CO2の回収と再循環まで踏み込むデンソーのサステナ戦略、なぜ必要なのか
自動車部品メーカーとしてCO2回収や再循環などより本質的なカーボンニュートラルに向けて積極的な技術開発を進めているのがデンソーだ。デンソー 安全・品質・環境本部 安全衛生環境部 サステナブル環境戦略室 室長の小林俊介氏に、環境問題への取り組みとその考え方について話を聞いた。CO2を新たな資源に、デンソーがCO2循環プラントを披露
デンソーは、カーボンニュートラルに向けた取り組みを推進しているが、その中でCO2を回収し、利活用する技術開発を推進。安城製作所(愛知県安城市)に設置したCO2循環プラントを披露した。CO2回収技術の実証試験開始 固体吸着方式の回収装置活用
三菱電機は、兵庫県尼崎市にある同社の先端技術総合研究所で、CO2回収技術の実証試験を開始した。2027年9月まで実施予定で、台湾の工業技術研究院が開発した回収装置を蒸気発生ボイラーに設置し、排ガスに含まれるCO2回収に取り組む。ベルギー製鉄所の高炉にて、CO2回収技術の実証実験を開始
三菱重工業ら4社は、製鉄所の高炉におけるCO2回収技術「Advanced KM CDR Process」の実証実験を開始した。アルセロール・ミタルが保有する、ゲント製鉄所の高炉にCO2回収装置を設置して、1〜2年間稼働する。プラント排ガスを再資源化 2027年にCO2回収/液化システム発売
日本特殊陶業と日立プラントサービスは、2026年10月から日本特殊陶業小牧工場のボイラーから排出されるCO2を回収/液化し、地域社会でカーボンリサイクル資源として利活用することを目的とした共同実証試験の開始に合意したと発表した。製鉄のCO2排出を大幅削減、水素活用とCO2回収の実用化に着手
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2019年3月13日、製鉄プロセスで発生するCO2の排出量を削減する研究開発プロジェクト「環境調和型プロセス技術の開発/水素還元等プロセス技術の開発(COURSE50)」の実施状況を説明した。CCUS技術による2050年度の国内CO2回収量は1億4600万tに拡大
矢野経済研究所は、国内のCCUS技術に関する調査結果を発表した。CCUS事業の拡大に伴い、2050年度にはCCUS技術による国内のCO2回収量が年間1億4600万tに拡大する見込みだ。