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AIでポジショニングを支援する携帯型X線撮影装置の新モデルを発表:医療機器ニュース
富士フイルムは、携帯型X線撮影装置の新モデル「XD4000」を発表した。AI技術を活用し、撮影時に患者のポジショニングを支援する機能「X-ray Centering Navi」や、角度調整可能なタッチパネルを搭載する。
富士フイルムは2025年8月19日、携帯型X線撮影装置の新モデル「XD4000」を発表した。AI(人工知能)技術を活用し、撮影時に患者のポジショニングを支援する機能を搭載している。国内では2025年秋から、海外では2026年度以降に発売する。
XD4000は、搭載カメラの画像から撮影中心位置を推定し、ライブビュー上に指標を重ねる「X-ray Centering Navi」を備える。同機能により、限られたスペースでの位置合わせをサポートし、再撮像リスクを抑える。なお、同機能は、デジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO Flow」のフラットパネルセンサーと画像処理ユニット「Console Advance」を組み合わせた場合に使用できる。
また、角度調整が可能なタッチパネルを搭載。高い位置での臥位撮影でも、被検者の画像を確認しながら撮影でき、条件設定や照射野ランプ操作をワンタッチで実施できる。
XD4000は、同社が2018年に発売した既存モデル「CALNEO Xair(カルネオ エックスエアー)」の小型かつ軽量、バッテリー内蔵で外部電源を必要としないという特徴を継承している。これにより、山間部や離島での簡便な検査、在宅医療などに広く活用できる。
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