医療機器の特許影響力ランキングを発表:医療機器ニュース
パテント・リザルトは、医療機器業界の特許の引用状況を分析した「他社牽制力ランキング2024」を発表した。拒絶理由として引用された件数が多かった企業は、テルモ、キヤノンメディカルシステムズ、MEDTRONICの順となった。
パテント・リザルトは2025年7月30日、医療機器業界を対象とした特許の引用状況を分析した「他社牽制力ランキング2024」を発表した。2024年に他社の特許審査で拒絶理由として引用された特許件数を集計したもので、先行技術として競合他社に強い影響を与えた企業が明らかとなった。
1位となったテルモの最も引用された特許は、アセトアミノフェン注射液製剤の製造方法に関する技術で、大日本印刷やニプロなど計4件の出願に対して拒絶理由として引用された。2024年にテルモの特許によって影響を受けた件数が最も多かったのは朝日インテックの25件、次いでニプロ19件だった。
2位のキヤノンメディカルシステムズは、医師と患者の対話を評価する診療支援装置に関する特許が最多の引用件数となった。キヤノンメディカルシステムズは、主にコニカミノルタや富士フイルム、ROYAL PHILIPSなどに影響を与え、中でもコニカミノルタの引用件数は48件と最も多かった。
3位はMEDTRONICで、カテーテルによる電気信号のマッピングとアブレーションに関する特許が4件引用された。影響を受けた企業としてはCILAG INTERNATIONALが最多で26件だった。
ランキング4位のBOSTON SCIENTIFICは、くも膜下腔で使用する診断および治療装置、5位のETHICONは超音波振動と電気外科エネルギーを組み合わせた手術器具に関する技術が引用件数最多となった。
このランキングは、2024年1月から12月までに日本特許庁で拒絶理由として引用された特許を対象に集計。2025年5月末時点の権利保有企業名義でまとめられている。集計データはExcel形式で販売され、ランキング上位30社や被引用件数上位100件の詳細リストが収録されている。
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