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3D画像の視認性が向上した、3D画像解析システムを発売:医療機器ニュース
富士フイルムは、3D画像解析システムの最新版「SYNAPSE VINCENT Ver7.0」を発売した。3D画像の視認性が向上したほか、術前シミュレーションの機能を強化し、新しい画像観察方法を提供する。
富士フイルムは2024年4月10日、富士フイルムメディカルより、3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント) Ver7.0」を発売した。術前シミュレーションの機能を強化し、新しい画像観察方法を提供する。
CTやMRIなどの断層画像から、高精度な3D画像を描出、解析する「SYNAPSE VINCENT」の最新版で、「新レンダリング技術(Order Independent Transparency)」を採用。より立体感のある3D画像を描出し、奥行き方向への視認性が向上した。
また、術前シミュレーションをサポートする「肝臓解析」と組み合わせて使用する「+肝臓変形機能」を搭載する。肝臓の3D画像に対して、肝臓や周辺臓器を変形させながら観察でき、切除時の各脈管の位置推定を支援する。
治療で改善できる認知症といわれる、ハキム病(特発性正常圧水頭症)の診断に有効な「脳脊髄液腔解析」も備える。ハキム病の特徴的な所見となる、くも膜下腔の不均衡分布(DESH)の判定に寄与する。
オプションで、ソニーが開発した空間再現ディスプレイ(SRD)と連携した「SRDクライアント」を提供。SYNAPSE VINCENTで作成した術前シミュレーション用画像をSRDに表示し、裸眼で立体的に観察できる。
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