中小企業が明かす“取引しにくい企業”とは? 芝浦機械、三菱鉛筆などが低評価:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
経済産業省 中小企業庁は、受注側中小企業の視点から価格交渉のしやすさや価格転嫁の現状、支払い条件についての評価を公開した。支払い条件では、パナソニックAP空調・冷設機器、芝浦機械、テルモ、三菱鉛筆、牧野フライス製作所、住友重機械工業などが最低評価企業として挙がった。
「支払い条件」では芝浦機械、三菱鉛筆、シャトレーゼなど15社が最低評価
その結果、「価格交渉」と「価格転嫁」に対し最低評価の「エ」(回答の平均が0点未満)となった企業はなかった。
「価格交渉」で低評価の「ウ」(回答の平均が4点未満0点以上)となった企業は、アイチコーポレーション、THK、レオパレス21、HOWA、太平電業、一条工務店、シャトレーゼ、アイ工務店、名鉄NX運輸、イワタボルト、コロナ、パナソニックホームズ、長谷工コミュニティ、三菱鉛筆、オリックス自動車、西濃運輸、澁谷工業、日本カーソリューションズ、パナソニック産機システムズ、住友不動産、日本住宅、共和コンクリート工業、セイノースーパーエクスプレス、大京アステージ、オープンハウス・アーキテクト、アイホン、セーレンの27社となった。これらの企業では、「コストが上昇していても交渉できなかった」という取引先が存在することになる。
「価格転嫁」で低評価の「ウ」となった企業は、三菱鉛筆や牧野フライス製作所、ヤマザキマザックなど77社に上った。これらは価格転嫁には応じているものの、低い割合で応じている企業ということになる。
「支払い条件」については、最低評価の「エ」となった企業が15社あった。具体的には、古河産機システムズ、パナソニックAP空調・冷設機器、新日本建設、三協立山、芝浦機械、SMC、テルモ、シャトレーゼ、イワタボルト、一建設、三菱鉛筆、牧野フライス製作所、共和コンクリート工業、住友重機械工業、セーレンだ。これらの企業は、支払い条件の負担を何らかの形で受注側企業に強いていることが明らかとなった。
一方で、「価格交渉」「価格転嫁」「支払い条件」の全項目で最高となる「ア」(平均値が7点以上)の評価となった企業は56社あった。主な企業を挙げると、NOK、小松製作所、クボタ、愛三工業、トヨタ自動車、日本工営、住友化学、マルハニチロ、大陽日酸、佐藤工業、日本製鉄、エクシオグループ、日水コン、日本碍子、日本特殊陶業、フタバ産業、豊田自動織機、ENEOS、キーエンス、北海道電力、信越化学工業、いすゞ自動車、SUBARU、東海理化電機製作所、三建設備工業、三菱ケミカル、本田技研工業、神戸製鋼所、大同特殊鋼、日立製作所、沖電気工業、新明和工業、北陸電力、日野自動車、スズキ、ブラザー工業、コベルコ建機、ジェイテクト、豊通マシナリー、トヨタ車体などがある。これらの企業では、中小企業でも取引しやすい環境の整備が進んでいるといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
価格交渉がしづらい元請けはどこ? 美和ロックなどが中小企業調査で最低評価
経済産業省 中小企業庁は、受注側中小企業の立場で価格交渉のしやすさや価格転嫁の現状についての評価を公開した。その結果、美和ロック、一建設、タマホームの3社が「価格交渉」について最低評価となった。「価格転嫁OK」いすゞ自動車やパナソニック コネクトらが中小企業調査で最高評価
経済産業省 中小企業庁は、受注側中小企業の立場で価格交渉のしやすさや価格転嫁の現状についての評価を公開し、いすゞ自動車や小松製作所、住友電装、パナソニック コネクトなど13社が「価格交渉」「価格転嫁」においてどちらも最高評価となった。「価格転嫁に応じない」企業として、ダイハツ工業、京セラなど10社の社名公開
公正取引委員会は、「独占禁止法上の『優越的地位の濫用』に係るコスト上昇分の価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」の結果公開の一環として、多くの取引先に対し協議なしに取引価格を据え置きする行為などが確認された事業者名を公開した。ダイハツ工業や京セラ、三菱ふそうトラック・バスなど10社が挙がっている。「価格転嫁は許さない」中小企業との価格交渉で積水化学とトーエネックが最低評価
経済産業省 中小企業庁は、受注側中小企業の立場で価格交渉のしやすさや価格転嫁の現状についての評価を公開し、積水化学工業とトーエネックが価格交渉のしやすさについて最低評価となった。コロナ禍でも圧倒的に強いトヨタ、「下請けたたき」は本当か
今回は業界用語ではなく番外編です。世間で語られる「トヨタの下請けたたき」。果たして実際は? 自動車業界で働く部品メーカーの中の人の視点で語ります。スタートアップとのオープンイノベーションで生じる“搾取的関係”の問題点
本連載では大手企業とスタートアップのオープンイノベーションを数多く支援してきた弁護士が、スタートアップとのオープンイノベーションにおける取り組み方のポイントを紹介する。第1回は現在スタートアップと大企業間のオープンイノベーションで生じ得る「搾取的関係」の問題点を解説する。製造業はGAFAの下請けとなるのか、とり得る選択肢
「つながる工場」実現に向け、製造業、製造機械メーカー、ITベンダーなどが参加するIndustrial Value Chain Initiative(IVI)は2021年3月11〜12日、オンラインで「IVI公開シンポジウム2021-Spring-」を開催した。今回はその中から、IVI 理事長の西岡靖之氏による講演「日本の製造業はGAFAの下請けになってしまうのか?〜ソフトウェアの力と組織知能〜」の内容を紹介する。