ホンダが「2030年度まで10兆円投資」の計画から3兆円減、その内訳は:電動化(1/2 ページ)
ホンダは事業戦略説明会を開き、四輪車の電動化戦略の軌道修正など最新の方針を発表した。2024年にホンダは電動化戦略に関連して2021〜2030年度の10年間累計で10兆円を投資する計画を公表したが、3兆円減の7兆円に見直す。
ホンダは2025年5月20日、事業戦略説明会を開き、四輪車の電動化戦略の軌道修正など最新の方針を発表した。2024年にホンダは電動化戦略に関連して2021〜2030年度の10年間累計で10兆円を投資する計画を公表したが、3兆円減の7兆円に見直す。
投資減少の要因は、カナダでの包括低バリューチェーン構築を2年ほど後ろ倒しすることや、次世代のEV(電気自動車)専用工場の設立タイミングを検討することなどだ。ホンダ 社長の三部敏宏氏は「減額というよりは後ろにスライドした。2030年以降、大きな投資は必要になる」とコメントした。乗用車のカーボンニュートラル達成はEVが最適解であるという方針も維持し、これまでのEV関連の施策は適切なタイミングで実行するとしている。
EVは、普及の前提となる各地域の環境規制の変化/緩和、通商政策の動向などで事業環境の不透明さが増している。2030年時点のホンダのEV販売比率は、これまで目標としていた30%に届かず、20%ほどに下がる見通しだ。足元で需要の高いHEV(ハイブリッド車)を強化し、欧米でEVが伸び悩む分をカバーして事業基盤を強化する。2030年の四輪車販売台数は360万台以上とし、そのうちHEVで220万台を目指す。
360万台は数字としては足元の実績と変わらないが、「これ以上販売台数を落とさず、食い止めながら上積みしていこう」(三部氏)という意図が込められている。販売を増やしていく成長領域がある一方で、減速する地域も出てくるためだ。ソニー・ホンダモビリティの販売台数や、日産と検討中の協業の効果は含めていない。「インドは成長が期待できる。HEVを武器に北米でももう少し台数が伸ばせるとみている」(三部氏)。
SDV(ソフトウェアデファインドビークル)などソフトウェアデファインドモビリティ向けの研究開発支出は、HEVへの適用を前提に維持する。HEV向けの投資は若干の増加を見込む。
2024年発表の電動化戦略 | 2030年にEVで営業利益率5%へ、ホンダが力を入れる領域は |
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2024年度決算 | ホンダの2025年度業績に6500億円の関税影響、電動化戦略も見直し |
カナダへの投資 | ホンダがカナダにEV製造拠点を新設、バッテリーは自社生産 |
日産自動車との協業 | 経営統合に至らなかった日産ホンダ、戦略的パートナーシップは維持 |
SDV | ホンダのSDVは2026年から本格展開、ビークルOSと専用ECUを搭載 |
次世代HEV | EV移行期を乗り切る次世代HEV、ホンダはエンジンや車台を新規開発 |
EV向け技術 | ホンダはEVを薄く軽く賢くする、実現に向けた次世代技術を発表 |
全固体電池 | ホンダが全固体電池のパイロットラインを公開、2025年1月稼働 |
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