「賛同は困難と判断」ニデックは予定通り牧野フライスにTOB実施へ:製造マネジメントニュース
ニデックは、牧野フライス製作所に対してTOB(株式公開買い付け)を事前の予定通り2025年4月4日に開始すると発表した。
ニデックは2025年4月3日、牧野フライス製作所に対してTOB(株式公開買い付け)を事前の予定通り同月4日に開始すると発表した。1万1000円の買い付け価格や50%の買い付け下限数も当初の計画通り維持する。
牧野フライスはTOBの延期を要請、拒絶なら対抗策発動へ
牧野フライスはこれまで、複数の第三者から同社の完全子会社化を目的とした買収の初期的な意向表明を受けているとして、比較検討の時間を確保するため、ニデックに対して2025年5月9日以降へのTOBの延期を要請していた。
また、ニデックのTOBに対する対抗措置として、ニデックが2025年5月9日より前にTOBを開始した場合、一般株主とニデックの間で条件の異なる新株予約権を無償割り当てする時間確保措置の導入を発表した。対抗措置の発動には、株主意思確認総会での決議が要る。
ニデックは今回、発表した文書の中で「意向表明書を提出して以降、一貫して、対象者および特別委員会から中立的かつ真摯に検討する姿勢が示されなかったと考えたこと、また、対象者が対応方針を導入し、2025年5月9日より前に公開買い付けを開始する場合は、原則として、株主意思確認総会において、対抗措置の発動を承認する旨の議案、その他必要な議案の付議を示唆していることから、公開買い付け開始の予定時期としていた同年4月4日までに賛同いただくことは困難と判断し、同月3日開催の取締役会において、本取引への賛同を得ないまま公開買い付けを開始することを決定した」と述べている。
ニデックは同時に、牧野フライスの労働組合が提出した質問状に対して、「2025年3月4日に取締役の方と面談をさせていただいた際に一部の質問には回答している。質問や懸念に関して、当社経営幹部から組合に対して直接面談にて説明する機会をいただきたい」と回答する文書も発表した。
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