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牧野フライスに第三者から初期的な買収意向表明、ニデックにはTOB延期再要請:製造マネジメントニュース
牧野フライス製作所は複数の第三者から同社の完全子会社化を目的とした買収の初期的な意向表明書を受領した。ニデックのTOBに対する対抗提案になるとみられる。
牧野フライス製作所は2025年3月10日、複数の第三者から同社の完全子会社化を目的とした買収の初期的な意向表明書を受領したと発表した。
最終的な提案に至る可能性「相応にある」
牧野フライス製作所は提案者らによるデューデリジェンスなどに対応し、提案者らとの間で情報交換を進めており、「提案者らから法的拘束力のある最終的な提案を受領することができる可能性が相応にある」とした。
法的拘束力のある提案を受領した場合、それらの比較検討に相応の時間を要するとし、牧野フライス製作所はニデックに対して、TOBの開始を現状の2025年4月4日から少なくとも同年5月9日まで延期することを要請した。
また、牧野フライス製作所は、ニデックによるTOBに応じず、その後のスクイーズアウトのための株主総会決議にも賛同しない株主の所有比率が約8%に達するなどとし、買い付け予定数の下限についても、現状の総議決権数50%から3分の2まで引き上げるようニデックに要請した。
牧野フライス製作所の第5位の株主である工作機械技術振興財団は2025年3月3日に、TOBに反対する決議をしたと発表した。同財団は牧野フライス製作所の創業者である牧野常造氏らの寄付によって1979年に設立され、工作機械技術に関する論文の表彰や研究の助成などを事業としている。
牧野フライス製作所はこれまで再三、同様のTOBの開始延期や買い付け予定数の引き上げをニデックに要請してきたが、ニデックは予定通りTOBを実施する姿勢を崩していない。
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回答にはやはり共通するものがありました。