この記事は、20225年2月20日発行の「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
ニデックによる牧野フライス製作所へのTOB(株式公開買い付け)開始予告後、書面による両者のやりとりが行われ、その内容が公開されています。ニデックは「株主意思の原則」や「透明性の原則」の観点から、あえて事前協議をせずTOBの表明に至ったとしています。
ただ、ニデックからの1回目の質問状の回答を見て、牧野フライス製作所が「回答を差し控えられている点が散見される他、回答内容が抽象的なレベルにとどまるものも多く」などとして2回目の質問状の提出に至ったのは理解できますし、一部の内容に関しては「公表を前提とした書簡での回答には馴染むものではないため、経営陣に対して直接お会いして回答させていただきたい」とするニデックの姿勢も理解できるものです。
ニデックが2023年に行ったTAKISAWAへのTOBに際しても、TOBに対する判断を検討するための情報リストのやりとりがTAKISAWAとニデックの間で2回にわたって行われ、その間に直接協議もありました。改めて後に公開された資料を読んでみました。
シナジー、ディスシナジー、離職率… ニデックの答えは
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あえて過去を振り返ります。