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機械加工とは何か、元工作機械エンジニアが改めて考える工作機械(1/3 ページ)

本稿では、元工作機械エンジニアが、機械加工とは何かについて改めて考えます。

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 私は工作機械メーカーで長年、機械の開発や設計業務に従事してきました。

 工作機械では機械加工を行います。加工は、原料や素材に手を加えることを意味しますが、では機械加工とは何でしょうか。「『機械』を使って、原料や素材に手を加えることを言うのか」「『機械』を構成する部品を作ることをいうのか」。私はこの疑問を持ちながら、長く工作機械業界で生きてきました。

 日本は無類の工業立国で、多くの機械を生産し、使用し、経済を発展させてきました。その源流の機械加工に関して少し振り返ってみたいと思います。

機械加工とは

 読者の皆さまの多くは製造業に携わり、何らかの加工機や生産設備を使って製品を製造している会社で仕事に就かれていることと思います。

 従いまして、ここでは機械加工とは機械を使って、原料や素材に手を加え、機械を構成する部品を作る、と定義いたします。

 もう少し掘り下げてみましょう。機械加工法はさまざまな分類法で定義されていますが、実際の製造工程を念頭に、工程順で大別すると成形工程切断/結合工程除去工程仕上工程に分けられます。

 成形工程は、素形材工程ともいわれ、この工程で成形された材料が素形材として、次工程の切断・結合工程除去工程に回ります。さらに必要に応じて仕上工程を経て機械部品として完成します。

大工程 工程 主な工法 主な加工機・生産設備
機械加工 成形工程 鋳造 鋳造機
塑性加工 板材成形 プレス
鍛造 プレス
粉末成形 プレス
樹脂成形 射出成形機
切断・結合工程 切断 熱切断 レーザ加工機
せん断加工 シャーリングマシン
結合 溶接 アーク溶接機
接合 摩擦圧接機
除去工程 切削加工 穴あけ ボール盤
旋削加工 旋盤
フライス加工 マシニングセンタ
砥粒加工 研削加工 研削盤
特殊加工 電気加工 放電加工機
仕上工程 表面加工 めっき めっき装置

 機械加工機=工作機械として取り扱われる側面もありますが、工作機械は除去工程の加工が中心です。金属加工1つを取ったモノづくりを考えても、多種多様な加工機や生産設備が使用されています。


さまざまな加工がある中で工作機械は除去加工が中心となる

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