福島県で廃食用油を回収 国産SAFサプライチェーン構築の一環で:リサイクルニュース
コスモ石油マーケティングは、北日本石油、ハジャイ、レボインターナショナルとともに、福島県会津地域において、商店街や地域の飲食店、キッチンカー事業者を中心に使用済み食用油(以下、廃食用油)の回収を2025年2月14日に開始した。
コスモエネルギーホールディングスのグループ会社であるコスモ石油マーケティングは2025年3月14日、北日本石油、ハジャイ、レボインターナショナルとともに、福島県会津地域において、商店街や地域の飲食店、キッチンカー事業者を中心に使用済み食用油(以下、廃食用油)の回収を同年2月14日に開始したと発表した。
回収した廃食用油は、コスモ石油が出資するSAFFAIRE SKY ENERGYが大阪府堺市に新たに設置した工場で、従来の航空燃料よりも温室効果ガスを削減できる持続可能な航空燃料(SAF)の原料として活用する予定だ。
今回の取り組みの概要
今回の取り組みは、従来廃棄されていた廃食用油を資源化することで、温室効果ガスの排出量削減と、会津若松市の課題であるごみの削減に貢献する。さらに、観光業が盛んなこの地域において、今回の取り組みを通じて、観光庁が策定した「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)」に基づき、サステナブルツーリズム(持続可能な観光)の実現に向け、地域一体となった持続可能な観光地の構築を目指す。
コスモエネルギーグループは、日揮ホールディングス、レボインターナショナルと共同で、国内における廃食用油の収集からSAFの製造、輸送、供給に至るまでのサプライチェーン構築に向けて事業化検討を進め、2022年にSAFFAIRE SKY ENERGYを設立した。2024年12月25日にはSAF製造設備(プラント)が完成し、現在は国内で発生する廃食用油のみを原料とした年間約3万キロリットルのSAFの供給を目指す。2025年度以降、原料となる廃食用油の調達から、SAFの製造、品質管理、航空会社への供給に至るまで、全てのSAFサプライチェーンの構築を国内で実現する予定だ。
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