水系アクリル粘着剤使用のファイバーレーザー加工用保護テープを開発 CO2を低減：材料技術

三井化学ICTマテリアは、水系アクリル粘着剤を用いたファイバーレーザー加工時の保護テープの開発に成功した。

[遠藤和宏，MONOist]

　三井化学ICTマテリアは2025年1月27日、水系アクリル粘着剤を用いたファイバーレーザー加工時の保護テープの開発に2024年9月に成功したと発表した。三井マスキングテープの新しいラインアップとして2025年4月に量産を開始する予定だ。

同製品の特徴

　同製品はこれまで有機溶剤系粘着剤でしか達成できなかったレーザー加工時の保護テープ密着性を、水系アクリル粘着剤でも発現させることに成功した。これにより三井マスキングテープの特徴である「加工品からの高速剥離」「テープ繰り出し時の騒音抑制」を付与したまま、保護テープの生産工程で発生する揮発性有機化合物（VOC）およびCO₂の排出量を抑制できる。さらに「加工切り口の黒焦げ低減」などの性能を搭載しているため加工品質も高い。

保護テープ生産工程におけるVOCとCO2排出量の抑制［クリックで拡大］ 出所：三井化学ICTマテリア

同製品の開発背景

　近年、金属加工業界では加工品の「高精密化」に加え、加工プロセスの「高速化」「無人化」「自動化」が可能なレーザー加工技術の開発などが行われている。一方、環境や経済／社会の持続可能性（サステナビリティ）に対する要求がグローバルで高まっており、これらのニーズに対応する金属加工技術が求められている。こういった状況を踏まえて、三井化学ICTマテリアは今回のテープを開発した。

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