レゾナックが使用済みプラスチックや繊維の循環型事業モデルを立ち上げ:リサイクルニュース
レゾナックは使用済みプラスチックや繊維の循環型事業モデル「CirculaC(サーキュラック)」を立ち上げた。
レゾナックは2025年1月20日、使用済みプラスチックや繊維の循環型事業モデル「CirculaC(サーキュラック)」を立ち上げたと発表した。
この事業モデルは、化学の力で使用済みプラスチックや繊維などを水素、アンモニア、アクリロニトリル、炭酸ガスなどの化学品原料に再生し、さまざまな最終製品に生まれ変わらせることを目指す。同社は、CirculaCを通じて持続可能な循環型社会の実現に向けた取り組みを強化していく。
KPRを通じてリサイクルした製品をCirculaCで展開
レゾナックの川崎事業所(神奈川県川崎市)では、2003年から使用済みプラスチックを水素や炭酸ガスにリサイクルする「プラスチックケミカルリサイクル」を実施している。この取り組みを同社では川崎プラスチックリサイクル(KPR)と呼称。KPRを行うプラントは20年以上の長期にわたって安定運転を継続しているガス化ケミカルプラントだ。2022年には累計プラスチック処理量が100万トンを超えた。
同社では、KPRを通じて、使用済みプラスチックなどを高温でガス化して分子レベルまで分解し、水素と炭酸ガスを取り出している。水素は、川崎市のホテルに設置された燃料電池の発電用として使用されている他、同社内でアンモニアの原料として利用している。
アンモニアは、同社の川崎事業所でアクリロニトリルの原料として用いていることに加え、同社の外販先で合成繊維や化学肥料、脱硝用薬剤などに使われる。一方の炭酸ガスは、大気中に放出することなくレゾナックのグループ会社でドライアイスや炭酸飲料などの原料として利用される。これらは、今後CirculaCブランド製品として販売する予定だ。
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