水上オートバイ向け航行支援アプリ、禁止エリア進入や速度超過で警告:船も「CASE」
ヤマハ発動機は航行支援アプリ「JM-Safety」に水上オートバイ専用モードを追加した。
ヤマハ発動機は2024年11月11日、航行支援アプリ「JM-Safety(ジェイマリン・セーフティ)」に日清紡ホールディングスと協力して水上オートバイ専用モードを追加したと発表した。水上オートバイ向けの航行支援アプリは「国内初」(ヤマハ発動機)だとしている。
水上オートバイは日本国内でも地域ごとにさまざまな条例や規制がある。ただ、水上には規制を示す標識やブイがほとんどない。事前に規制図を確認していても、実際の運転中に規制を守れているかが分かりにくい状況だったという。アプリによって条例や規制を分かりやすく地図上に示し、利便性や運転マナーの向上、トラブルや事故の未然防止につなげる。
JM-Safetyは日清紡ホールディングスが開発したアプリ。水上オートバイに関する地域ごとの条例や規制を反映した日本マリン事業協会の地図情報「PWCエキスパートガイドマップ」を織り込んで水上オートバイ向けにシステムを構築した。
利用者はスマートフォンにJM-Safetyをインストールし、水上オートバイ専用モードに切り替えると利用海域の特徴や自船の位置情報を画面上で確認できる。また、自船位置と連動して、航行禁止エリア進入時や速度超過時にはアラームが鳴る「ロケーションアラート機能」も備えている。エリアから離脱するまで、ロケーションアラート機能の警告が継続し、ユーザー側では停止できない。バイブレーション機能も実装予定だ。安全航行を支援し、航行ルールの理解を促進する。
水上オートバイ専用モードはまず関東と関西の2カ所のエリアで運用を開始する。対応エリアは順次拡大する。
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