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2隻目となるウインドチャレンジャー搭載のばら積み船が竣工:船も「CASE」
商船三井が建造し商船三井ドライバルクが運航する、ウインドチャレンジャーを搭載した64型ウルトラマックスばら積み船「Green Winds」が大島造船所で竣工した。燃料使用減、GHG削減に貢献する。
商船三井と商船三井ドライバルクは2024年7月10日、ウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)を搭載した64型ウルトラマックスばら積み船「Green Winds(グリーン ウインズ、本船)」が同日、大島造船所(長崎県西海市)で竣工したと発表した。燃料使用減、GHG排出削減に貢献する。本船は、建造を商船三井が担い、商船三井ドライバルクが運航する。
本船は、計画中のものも含めウインドチャレンジャー搭載船計9隻のうちの2隻目となる竣工船で、ウインドチャレンジャーのクレーン搭載船への導入は世界で初めてとなる。ウインドチャレンジャーは、商船三井と大島造船所が中心に開発した伸縮可能な帆で風力エネルギーを船の推進エネルギーに変換する装置。帆の材料は繊維強化プラスチックで、幅約11.4m、高さは3段式で最大約39.5mとなる。
ウインドチャレンジャーの本船への搭載により、航行条件次第では約7〜16%の燃料使用減かつGHG削減効果が見込める。商船三井は、2030年までに25隻、2035年までに80隻のウインドチャレンジャー搭載船の投入を計画している。
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