EVギガキャストの後加工特化の横型マシニング、CO2大幅減のミネラルキャストも:JIMTOF 2024(2/2 ページ)
ヤマザキマザックは「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」において、新型の横型マシニングセンタ「FF-1250H」などを披露した。
ミネラルキャストを内製、立形マシニングセンタの構造部品に
自社製のミネラルキャストをベース、コラムに採用した立形マシニングセンタ「VCN-460 HDCC(High Damping Composite Casting)」も出展した。
樹脂や砂利を混ぜ合わせて作るミネラルキャストは、製造工程における電力使用量が鋳物と比べて少なく、今回のVCN-460では従来の鋳物を使用した時と比べると、50%以上のCO2削減につながるという。
さらにリードタイムの削減にもつながる。鉄を溶かして型に流し込み、冷まし、加工して出来上がる鋳物はリードタイムが長い。海外からの調達となればなおさらだ。また、製造現場は鉄を溶かすため高温になる過酷な環境だ。その点、ミネラルキャストは熱などを加える必要はない。
「鋳物を作る業者も廃業などで減っており、これから先も安定的に調達できるかは分からない。ミネラルキャストを内製できれば生産のリードタイムは短くなる。コストだけでは測りきれないメリットがある」(マザックの説明員)
ミネラルキャストは鋳物に比べて10倍の振動減衰性があり、機械稼働時の振動がより早く収束するため、加工時間の短縮や工具の長寿命化に貢献する。フライス加工など、刃物がワークと接触、非接触を繰り返しながら削る“断続切削”加工時に発生する振動も抑制され、加工面精度の向上につながる。
会場では、ミネラルキャストと鋳物で作られた2つの鐘を並べて、鐘を鳴らすことで音の違いによって振動減衰性を比較する展示も行われた。さらに、熱伝導率が鋳鉄と比較して小さく、周囲の温度変化による熱変位が緩やかであるため、安定した加工精度が得られるという。
その他、可搬重量125kgの産業用ロボットを用いた自動化セル「Ez LOADER 125i(イージローダ 125i)」を出展した。可搬重量の高い産業用ロボットを使うことで、丸物重量ワーク(片持ち45kg)やシャフト重量ワーク(最大60kg)に対応する。ロボットプログラムの作成に必要なワークの長さ、径、重量などのデータは、CNC(数値制御装置)から取得するため、段取り作業の時間を短縮する。
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