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製造業の約8割が「サプライヤーとの価格交渉が難しくなった」と回答:製造マネジメントニュース
A1Aは、製造業の調達/購買担当者を対象とした物価上昇の影響実態調査を行った。調査によると、回答者の95.5%が「物価上昇の影響で調達コストが増加している」と明らかにした。
A1Aは2024年9月3日、「製造業調達、購買部門への物価上昇の影響実態調査」の結果を発表した。回答者全員が原材料費や動燃費、労務費などの物価上昇の影響を受けており、そのうち95.5%が「調達コストが増加している」と明らかにした。
直近1年の費目別の影響については、約半数が原材料費の上昇が調達コスト増加に影響していると回答。さらに、全体の4.6%が「全て影響している」と答えた。
サプライヤーとの交渉に関しては、約8割が、取引適正化の影響によって価格交渉が難くなっていると回答。約6割が価格交渉の難化に伴ってコスト低減ができていないとしている。対象企業の売上規模別では、特に売上500〜5000億円規模の企業での影響が大きく、7割以上がコスト低減できていなかった。
海外の競合他社や他業界の企業に「買い負けている」と感じているのは約8割で、約半数が買い負けによって供給リスクやコスト増加の影響が出ていると回答している。
調査は同年4月26日〜7月30日に、製造業調達や購買担当者に対して実施。物価上昇および下請法や独占禁止法などの取引適正化の動きが製造業の調達、購買部門に及ぼす影響について調査し、有効回答数265件を得た。
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