製造業のサプライチェーン計画業務、約8割がデジタルツール活用:製造ITニュース
ザイオネックスは、製造業を対象に、サプライチェーン計画業務へのデジタルツール導入に関する調査を実施した。回答者の8割弱が何らかのデジタルツールを利用していることが分かった。
ザイオネックスは2024年7月24日、製造業のサプライチェーンマネジメントに携わる会社員を対象に実施した「サプライチェーン計画業務におけるデジタルツール」に関する調査結果を発表した。回答者の8割弱(「一部の領域で導入している」43.4%、「全ての領域で導入している」34.1%)が、何らかのサプライチェーン計画ツールを導入していることが明らかになった。
同調査は、2024年6月20〜22日にかけて、182人に実施した。サプライチェーン計画ツールとは、販売計画や在庫計画、生産計画などを立案し、未来の製造と仕入れ、販売、在庫を可視化、シミュレーションするためのデジタルツールを指す。
サプライチェーン計画ツールを導入している企業に、期待する効果について聞いたところ、「業務の効率化」(58.2%)が最も多く、これに「生産、調達の安定化」(51.8%)が続いた。また、半数以上が「期待した効果が得られている」(63.8%)と感じていることが分かった。
一方、サプライチェーン計画ツールを導入していないと回答した人に、業務上の課題について聞くと、「生産、調達の安定化」(51.2%)が半数を超え、次いで「業務の効率化」「属人化の改善」(同率36.6%)が多かった。
サプライチェーン計画業務のデジタル化については、未導入の企業でも半数以上(「必要である」36.6%、「とても必要である」14.6%)が必要性を感じているが、既存システムとのすみ分けがうまくできない(42.9%)ことなどが導入の障壁になっていることがうかがえる結果となった。
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