製造業の受注業務、7割が「FAXでの受領ある」 紙書類は9割超でやりとり:製造マネジメントニュース
AI insideは、製造業の受注業務における紙書類利用に関する調査結果を発表した。95.2%が紙書類をやりとりしており、このうち73.3%がFAXにより書類を受領していることが判明した。
AI insideは2024年8月29日、製造業の受注業務での紙書類利用に関する調査結果を発表した。現在、紙ベースでやりとりされている書類の有無に関して、「全くない」という回答は2.4%にとどまった。「分からない、答えられない」は2.4%で、これらを除いた95.2%が紙書類をやりとりしていることが判明した。
やりとりしている書類は納品書が60.5%で最も多く、次いで請求書が56.5%、発注書が51.7%、見積書が49.5%、契約書が47.1%、領収書が45.0%、検収書が27.7%だった。
紙ベースで書類をやりとりしている回答者を対象に、FAXでの受領が生じる業務の有無を質問したところ、「かなりある」が25.9%、「ややある」が47.4%となった。合計すると、73.3%がFAXで書類を受け取っている。
FAXで書類を受領している層に、受領している書類の月平均枚数を質問したところ、1000〜1999枚が最多で20.0%となった。次いで100〜299枚(14.9%)、500〜999枚(11.9%)と続く。5000枚以上も11.5%で1割を超えた。
FAXで受領した書類の受注システムへの入力方法では、手入力が60.4%と過半を占め、システムによる自動入力は34.0%だった。
FAXでのやりとりをやめたいかどうかに関しては、「非常にそう思う」が36.9%、「ややそう思う」が51.5%で、88.4%がFAXによるやりとりをやめたいと思っていることが分かった。やめたいもののやめられない理由としては、「取引先がFAXを利用しているため、他のツールに移行できない」が63.0%で最多となっている。
FAXで受領した書類を受注システムに手入力している層に、データ入力業務の自動化サービスを導入したいかどうかを質問したところ、「非常にそう思う」が45.8%、「ややそう思う」が42.3%となった。88.1%が自動化サービスを希望している結果となった。
調査はIDEATECHのリサーチPR「リサピー」が企画し、2024年6月5〜6日にかけてオンラインで実施したもの。製造業に勤務する受注業務担当者329人が回答した。
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