取引先のセキュリティ対策、製造業の8割が「自社と同レベルか一部求める」:製造マネジメントニュース
キャディは製造業のセキュリティに関する実態調査の結果を発表した。自社だけではなくサプライチェーン全体でのセキュリティが重要だとする回答は9割を超え、取引先や協力会社へのセキュリティ対応については約8割が「自社と同レベルか一部を求める」と回答した。
キャディは2024年8月29日、製造業のセキュリティに関する実態調査の結果を発表した。「業務を行う上でセキュリティ(企業が保有する機密情報全般を守ること)を普段から意識しているか」との質問に対して、製造業従事者の82.8%が意識している(「意識している」と「やや意識している」の合計値)と回答した。
2024年8月14〜16日にかけて、自社調査およびオンライン調査を実施し、製造業に従事する1059人が回答した。
職種別では、「意識している」「やや意識している」と回答した人が、ほとんどの職種で85%超となった。一方で、「財務、会計、経理」は80.9%、「生産管理」は73.5%とやや低くなっている。
また、「ここ5年で、業務を行う中、セキュリティのリスク(企業が保有する機密情報全般が守られない状態やその一歩手前の状態)を実際に感じたことがあるか」という問いに対しては、46.8%が「ある」と回答した。
職種別では、「原価企画」が87.5%、「マーケティング」「広報」がそれぞれ82.9%と高かった。次いで「営業企画」が78.6%、「新規事業」で75.0%だった。
「自社が行うセキュリティへの意識がここ5年で変化したと思うか」という質問には、回答者の78.8%の回答者が意識が高まった(「大きく高まった」と「高まった」の合計値)と認識していることが分かった。
自社のセキュリティ対応に関しては、「セキュリティシステムの導入」や「社内規程、ガイドラインの制定」が過半を占めた。一方で、「専門人材の採用、育成」では、対応が足りないとした回答が43.4%に達している。
また、業務を行う中で、自社だけではなく関連するサプライチェーン全体でのセキュリティが重要だとする回答は93%に達した。サプライヤーなどの取引先、協力会社へのセキュリティ対応としては、「自社と同レベルの対応を求める」が43.4%、「自社と同レベルの対応の一部を求める」が34.8%となった。
また、サプライヤーなどの取引先、協力会社で生じ得るセキュリティリスクへの対応としては、「NDA(秘密保持契約)の締結」が58.9%で最多となった。次いで「規程やガイドラインの制定」が46.3%となっている。
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